豊田市博物館の特別展「
深宇宙展」見学。
2025年の夏期に東京・お台場の日本科学未来館で開催された特別展で、これが中京地区に巡回してきました。関西在住の身としては(比較的)近いところでの開催でありがたく出かけてきました。
博物館の入口にどんと展示されている有人与圧ローバーの実物大模型。
JAXAとトヨタ自動車との共同開発で、見上げる程に大きい。かつてアメリカがアポロ計画で使用した月面車は宇宙服を着たままで乗車しましたが、こちらは内部では普段着で過ごすことが出来ます。いわば「地上を走る宇宙船」と言ったところ。
大きさは大阪・関西万博のJAXAブースの映像で知っているつもりでしたが、改めてみるとやっぱり大きい。聞いたところではアメリカのスターシップロケットを打ち上げ機に想定していて、直径9mのフェアリングに収まるように設計されています。上から見ると平面形が丸っこいのはそのため。
ちなみに
以前にトミカにもなっていたのですが、バージョンアップして
形状が変わっています。まだまだ計画段階なのでよくあること。
それにしても、フェアリングの直径に合わせてこんな大きなものをつくって、どうやって月面に降ろすのでしょう。
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トミカプレミアム07「ルナクルーザー」(タカラトミー 2020年12月発売告知)
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ルナクルーザーのデザインを更新、大阪・関西万博「フューチャーライフヴィレッジ」にて新デザインの1/5スケールモデルを展示(TOYOTA 2025.03.31)

こちらは特別展示エリアに展示されている、ブリヂストンが開発している
月面用のタイヤ。月面は真空かつ寒暖差が大きく(+110℃〜-170℃)、ゴムはあっという間に劣化して使えません。金属板をバネのように使うことで衝撃を吸収するのだと思いますが、同社が開発している
空気不要のタイヤに共通するような形状です。
有人与圧ローバーは月面で1万kmを走行する想定だそうですが、それにしてもメンテナンスはどうするつもりなのでしょう。現在の南極観測隊には雪上車のエンジニアが派遣されていますが、月面にもトヨタの人が常駐するようになって、月面赴任の辞令とか出るのでしょうか。
展示室の最初のコーナーにあるのはH3ロケットのフェアリングの実物大模型。
白菜を縦に1/4に切ったような状態ですが、本物は直径5mあるので、この状態でも高さ2.5mあります。
ちょうど反対側にH3ロケットの模型があるので、全体の大きさを想像するのにちょうどよいです。
展示の前半はロケットのさまざまな部品に触れるコーナー。
ハニカム構造のフェアリング部材は科学館やJAXAの展示施設でも触れる機会が多いと思います。1枚目がH3ロケット、2枚目がH-UAロケットのフェアリング。ハニカム構造のアルミを両側からサンドイッチした構造なので水に浮いてしまい、船の航行の邪魔になるので打ち上げの度に回収船を出していたのですが、H3ロケットのフェアリングからは浸水して水没するようになっています。でも見た目には違いか分かりませんでした。
燃料タンクの断熱材も比較的目にする機会が多い部材かもしれません。発泡スチロールというよりはウレタンフォームに近い手触り。ポリイソシアヌレートフォームというもので、大まかにはウレタンフォームの仲間です。
断熱材のパネルは実はタンクのアルミ材も付いていて、裏側はアイソグリッド構造(三角形にリブを残している形状)に削り出して軽量化した様子も見ることが出来ます。自動で削っているのでしょうが、ロケットのタンクの面積を考えるととんでもない手間です。
それ以外のパーツは私も始めて見るものがたくさん。
段間部やトラスロッドやタンネルカバー(ロケット外側の配線のカバー)など、あまり注目されない部分がいくつも出ていて、模型好きにはとっても嬉しい。本物を知っていると、模型を作るときにどこまで作り込んでどこまでデフォルメするかの加減を判断しやすくなります。
段間部は一段目と二段目とつなぐ筒状の部分で、H-UAロケットではCFRP製でしたが(H-UAロケットの黒い部分)、H3ロケットでは金属製になりました。
トラスロッドは二段目の水素タンクと酸素タンクを支える支柱のようなもので、目に付かない部分なのでこれが触れる状態で出ているのにびっくり。
タンネルカバーと先端部のカバーも近くで見るのは初めて。
そして、そうとは知っているのですが、触って持ち上げるとやっぱり軽い。これは私の前後で見学していた親子連れもいちいち驚いていました。トラスロッドですら子どもで持ち上げられる軽さです。
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