2018年07月08日

Sky-Watcher DOB 8" ファーストライト(7月8日)

 ファーストライト。横着して室内から窓枠越し(もちろん窓は開けてます)。
 火星を見ました。気流が悪くて輪郭がボヨボヨでしたが、シーイングが悪いのか主鏡が温度順応出来てないのか分かりません。
 さすがに最接近まで一ヶ月を切ると大きく見えます。
 恒星像の焦点内外像を見る限り、光軸は問題ない様子で何より。

 接眼レンズはペンタックスXL10.5mmを使いましたが、これだとトップヘビー気味になります。
 上下動はフリクションの調節が出来るとはいえ、もう少しお尻重くなってほしい。トップリングに副鏡と接眼部とファインダーが付いているので、主鏡の重さに勝ってしまうのでしょう。25cmモデルなら主鏡側のほうが重くなるのではないかと思います。
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2018年07月07日

Sky-Watcher DOB 8" Collapsible

 最近いろいろ機材の買い物をしている気がしますが、実は望遠鏡を買うのは5年ぶりです。
# 前回は2013年5月にBORG77EDIIの対物レンズのみを購入。

 この一年ほどは月に一度ほど遠征して天体写真を撮っていますが、撮影中は追尾も赤道儀任せ、シャッターをきるのもインターバルタイマー任せということで、たっぷり星を見ています。
 ただメインの鏡筒のBORG77EDIIもminiBORG60EDIIも撮影用にパーツを組んでいます。カメラのボディと接眼レンズは必要な鏡筒長が違うので、眼視に使うにはパーツを組み替える必要があり、ちょっと面倒。なのでもっぱら肉眼と双眼鏡で空を眺めてきました。

 せっかく暗い空の下なので観望用の望遠鏡があるといいなと思い、休眠中のMT-130を再整備することを考えたのですが、この鏡筒は脚がない状態。自作でドブソニアン仕立ての架台を作ろうと思いながら時間が取れずに今に至ります。

 いっそ市販のドブソニアンでいいかと思って選んだのが、Sky-Watcher DOB 8" Collapsible。国内だとシュミット扱いで「Sky-Watcher ドブソニアン望遠鏡 DOB8(S)」の名前で出ています。

 ドブソニアン望遠鏡は30cm級が主戦場(個人の印象です)で、口径20cmは小型の部類。
 ただし鏡筒の体積は口径の3乗で効いてくるので、30cm級となると自宅での保管場所に困りますし、自動車に積んでも後部座席をまるまる占拠することになります。重量を考えると笠井トレーディングのNinja-320が現実的な選択肢ですが、値段もそれなり(というか完全に予算オーバー)で受注生産で納期も未定。

 市販品で安価なのがSky-Watcher社のドブソニアン。Sky-Watcherはかつての天文雑誌ではなく、中国の天体望遠鏡メーカー。最近は安価な自動導入の赤道儀で存在感を増しています。
 同社のドブソニアンのエントリークラスは、鏡筒が伸縮可能な「Collapsible」と、より安価で鏡筒が普通の筒の「Traditional」(日本名はクラシック)があります。光軸の安定性を考えれば可動部は少ない方がよいのですが、少しでも体積を節約したいので「Collapsible」を選びました。
 伸縮タイプは実際に西宮ガーデンズの観望会で実機を見たことがあり、使用上の不安が少ないのも判断材料でした。
 しかし観望専用といえ、20cm反射が4〜5万円台で買えるのは、昔の望遠鏡の値段を知っていると安くて不安になるくらいです。アイベルの20cmドブのキットが5万円半ばだったか。これでも今は円安なので、一時はもっと安かったのです。

 さて「Collapsible」と「Traditional」は架台の構造が同じ。そして「Traditional」は以前に国際光器で扱っていた「WHITEY DOB」と同じものです。実は25cmのWHITEY DOBを明石市立天文科学館で使っており、架台の使い勝手は経験済み。

 あとは口径20cmと25cmの差で、両者とも焦点距離は同じで重さ以外は大差ないのですが、ここは悩んで20cmを選択。実際に届いてみると20cmでも室内での存在感は圧倒的。我が家は玄関が手狭なので、無難な選択をして正解でした。
# シュミットで25cmの筒だけ売っていて魅力的だったのですが、架台を工作する時間はないだろうなと。

 自動導入と手動導入については、選択の余地なく手動導入。主に予算の都合ですが、自動導入だと別途バッテリーを用意せねばなりません。将来的に架台だけ換装もできるのでここは安く軽くを採ります。


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2018年04月22日

オートガイダー M-GEN その2

 自宅前でのテストはしましたが、暗夜での撮影は初めて。
 設定の方法をすっかり忘れていて、マニュアルを見ながら操作します。
 難しいことはないのですが、ディスプレイの表記が英語なので、いちおう一つ一つのステップを確認して進めます。慣れればマニュアルを見ずともこなせる程度。



 2018年4月22日(兵庫県神河町)。NikonD5500+ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(f=378mm,F6.3) ISO1600 露出5分(M13)ISO800 露出5分(M57) ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾。画像中央部をピクセル等倍で切り抜き。

 星がたくさんある場所なら精度の確認をしやすいだろうと選んだのが球状星団M13。
 5分露出でも問題なし。10分でも大丈夫。miniBORG60EDを使った撮影は、ガイドの精度に関しては、この日の撮影では一度もエラーがありませんでした。




 2018年4月22日(兵庫県神河町)。NikonD5500+ボーグ77EDII+1.4倍テレコンDG(f=714mm,F9.3)。 ISO3200 露出5分(上)露出10分(下) ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾。画像中央部をピクセル等倍で切り抜き。

 続いて鏡筒をBORG77EDIIに載せ替えての撮影。こちらは1.4倍エクステンダーをつけて焦点距離714mmでの撮影。
 M13はうまく行ったのですけど、M57は下にブレたような突起があります。ガイドミスなのかシャッターブレなど他の振動などに起因するものかは分かりません。こちらの原因はもう少し詰める必要あり。
 実はオートガイダー導入前のminiBORG60EDもバランスウェイトの数まで調整して安定して撮影できるようになったので、重さの違うBORG77EDIIの場合も、どこに原因があるのか、いちいち切り分けて考える必要があります。とはいえF9.3の暗さで直焦点撮影することもまずないだろうなあ。

 M-GENは撮影対象を変えるたびにキャリブレーションをする必要があるのですが、それを忘れた際の挙動がこれ。miniBORG60EDとBORG77EDIIではM-GENの取り付け位置が90度近く回転していたので、いろいろおかしくなってしまったのだと思います。キャリブレーションさえきちんとすれば、こうはなりません。

 一方で、ガイドの精度が良すぎるゆえの課題もあります。
 これまでは複数枚の撮影では少しずつ視野がズレたために、撮像端子のホットピクセルに起因するノイズがコンポジット時にキャンセルされていたのですが、M-GENのガイドの精度が良いために、これらのノイズも残ってしまいます。基本的にはダークフレームを撮影して減算するしかなさそうです。
 M-GENには「ディザリング」と呼ばれる、あえて少しずつ視野をずらして撮影するモードも搭載されているのですが、K-ASTEC/協栄産業が用意しているカメラコントロースケーブルはD5500に対応していません。はてさてどうしたものか。
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オートガイダー M-GEN その1

 今回導入したのは協栄産業扱いのオートガイダーMGEN-75GSSセット。M-GENにコーワのCマウント75mmレンズを組み合わせたものです。

 M-GEN本体にレンズは付属せず、手持ちのレンズと組み合わせて使います。
 Cマウント75mmですばるの主要部が収まる程度の視野。
 元々自宅で余剰気味のミニボーグ50を使うつもりでしたが、75mmでそれだと、ミニボーグ50の250mmの焦点距離では視野が狭くなりすぎ、ガイド用の星を見つけるのが難しくなることが想定されます。若干、高価になりますが、ここはショップのセットを使うことにしました。

 M-GENの電源はDC12Vが必要ですが、消費電力は少ないので、USB接続のDC5VからDC12Vに昇圧するケーブルで給電します(協栄産業扱い)。スマホ用のモバイルバッテリーが使用でき、同じくモバイルバッテリーで動作するAP赤道儀と電源を共用できます。電源が軽量で済むのは地道にすばらしいところ。

 架台への取り付けはビクセンのファインダー台座互換のアリガタを使用(コスモ工房製)。プレートへのレンズの固定はM6ネジ一本になりますが、ビクセンのファインダー台座が付いている鏡筒なら簡単に脱着可能になります。
# 協栄産業ではアルカスイス規格のアリガタ/アリミゾを扱っています。

 マニュアルは日本語の取説が2冊。ただし完訳ではなく、必要最低限の部分を抜き出したもの。
 最初は「クイックスタート編」を読み始めたのですが、結局「実践編」も目を通す必要があり、分かりやすいとは言い難いのですが、起動して設定・可動させるくらいなら問題ありません(オートガイダーを使おうという時点でそこそこの知識はあるはず)。
 コストの都合もあるでしょうが、マニュアルは完訳版がほしいところです。

 2018年3月25日(兵庫県神河町)。NikonD5500+ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(f=378mm,F6.3) ISO100 露出8分18秒 ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾。画像中央部をピクセル等倍で切り抜き。

 届いた晩に自宅の玄関前で試験撮影してみましたが、極軸をコンパスであわせた程度でしっかり星が点になっていたのには感動しました(局軸合わせの精度が低い分、画像周辺は回転してましたけど)。
 後は実際に暗い空のもとでの撮影ということで、今回に至ります。
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2018年03月24日

オートガイダーM-GEN導入

 日周運動で動く星を点として撮影するためには、カメラ(+望遠鏡)の向きを星に合わせて動かす必要があります。
 このための道具が赤道儀で、現在は電気モーターを用いて自動追尾するのが一般的です。
# 人力で微動ハンドルを回す「手動ガイド」や、動力源にゼンマイを用いたものもありますが少数派です。

 標準から広角のレンズを用いた写真なら赤道儀任せの追尾で問題ないのですが、望遠鏡を用いた拡大撮影となると誤差の修正が必要になってきます。以前は撮影用の望遠鏡の隣にもう一本望遠鏡を乗せて眼視で確認しながら修正を行っていましたが、近年は修正作業も自動化するようになっています。このための機材をオートガイダーと呼んでいます。

 ビクセンのAP赤道儀を一年間使ってきましたが、ミニボーグ60EDにフラットナーを組み合わせた焦点距離378mmで、2分露出のノータッチガイド成功率が甘めに見積もって8割程度。これが3分露出だと半分以下。露光時間を伸ばす、また歩留まりをよくするためにオートガイダーの導入はずっと検討していました。
 というか、AP赤道儀の導入時点で視野に入れていました。

 オートガイダーには、(1)撮影した画像をパソコンに取り込んでソフトで解析して赤道儀に修正指示を出すタイプ、(2)専用機材で赤道儀に修正指示を出すタイプ、の2種類あります。(1)はPCが必要ですが機材はガイド用のカメラの追加で済む(ことが多い)ので割安(に組めるものもある)です。(2)はPC不要な分システムはシンプルです。
 撮影現場にPCを持ち込む人は(1)で良いのですが、私の場合は(2)一択。

 今回購入したM-GENはPC不要のタイプでは比較的、高価な部類です。
 本体だけで税抜き69,800円。付属品やらショップが用意したCマウントレンズを含めると簡単に10万円を超えます。

 たまたま明石の星の友の会の会員にM-GENを使ってらっしゃる方がいて、実際の動作を見ることができ、思い切った次第。
 あとは店頭に出向いていろいろ質問して疑問点も解消して、その場で一式持ち帰りました。
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2017年04月24日

AP赤道儀導入 その4 星空デビュー

 AP赤道儀導入 その1
 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー←ここ
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫
 AP赤道儀、暗夜の下での初使用です。
 最初に戸惑ったのは極軸合わせ。神戸ではそれこそ天の北極付近に見える星は北極星しかないのですが、光害のない空だと、極軸望遠鏡の視野にも星がたくさん見えすぎて、どれが北極星だか分かりません。これは経験値を積むしかなさそうです。

 さて撮影結果。
(共通データ)
2017年4月22日(兵庫県神崎郡神河町)ニコンD5500 ビクセンAP赤道儀にて追尾(ノータッチガイド)、いずれもリサイズ、トーンカーブ処理済。
※写真はいずれもクリックで拡大します。

 ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(口径60mm,焦点距離378mm,F6.3) ISO 3200 WB晴天 26:38〜 露出120秒×4枚コンポジット
 M8干潟星雲+M20三裂星雲。
 カメラのファインダーであっさり見えたので撮影してみました。miniBORG60EDでの撮影。ノータッチ2分露出で6枚撮影して、星が流れていなかった3枚をコンポジット。

 ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(口径60mm,焦点距離378mm,F6.3) ISO 6400 WB晴天 26:10〜 露出120秒×2枚コンポジット 画像中央部をトリミング。
 M27亜鈴状星雲。街中でも見やすい惑星状星雲です。
 天の川の微光星の中でノータッチ2分露出で4枚撮影して、星が流れていなかった2枚をコンポジット。2分露出の場合、歩留まり1/2というところです。

 ボーグ77EDII+1.08倍フラットナー(口径77mm,焦点距離551mm,F7.1) ISO 6400 WBオート 24:30〜 露出30秒×2枚コンポジット 画像中央部をトリミング。
 M13球状星団。
 こちらはBORG77EDII+マルチフラットナー1.08×DG(f=551mm)。焦点距離550mmでも30秒なら星が止まってます。この日は強風でこれ以上は露出を伸ばす気になれませんでした。もう少し粘ってもよかったかもしれません。

 ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(口径60mm,焦点距離378mm,F6.3)ISO 6400 WB晴天 26:10〜 露出118秒×1枚。
 網状星雲。2分露出で3枚撮影したのですが、うち2枚はシャッターブレと思われるミスで、使える画像が一枚だけでした。薄明の中での撮影で、元画像は背景の空が青くなっており、かなり強めのトーンカーブ補正で背景をニュートラルグレーにしています。@yat_raさんにご指導頂きながら撮影したのですが、眼視で見ることの難しい天体を写したのは初めてで、デジカメの液晶モニタにうっすらベールが写ったのを確認した時はちょっと感動しました。
 
 自宅近くでテスト撮影した時は極軸が合っていないと思われるガイドミスが出て、極軸望遠鏡の調整を追い込めていなかったのかと思っていたのですが、今回の撮影ではその心配は無用だと分かりました。追尾に失敗したコマの多くはシャッターブレや振動を拾ったようなブレ(風の強い日でした)で、対策を取ればミニボーグ60EDでも3分くらいはいけるかもしれません。

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2017年04月01日

AP赤道儀導入 その3 実地テスト

 AP赤道儀導入 その1
 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト←ここ
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫

 アルデバラン食に合わせてAP赤道儀を実際に使ってみました。
 見晴らしのきく公園や駐車場に移動しての観測ですが、ボーグ77EDII鏡筒を載せての徒歩移動+建物5階分くらいの標高差も思ったより余裕。これは軽量コンパクト化のメリット。出すのが億劫になってしまっては使う頻度も下がってしまいますから。
 そうそう、水平を出すために極軸体のアクセサリーシューに水準器を付けました。



 2017年4月1日19:28:11。ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(D=60mm,f=378mm)+NikonD5500。ISO1600。15秒露出。トーンカーブ処理済。下の写真は中央部分のピクセル等倍で切り出し。

 さて実写テスト。レンズはミニボーグ60EDにフラットナーを付けて焦点距離378mm。ノータッチガイドするには荷が重い焦点距離です。まずは15秒露出ですが、等倍切り出しだと微妙に流れているような……気もしないでもないですが、パッと見なら許容範囲。
# 撮影時にミラーアップ相当の露出ディレーモードに設定していなかったので若干のシャッターブレの可能性も。



 2017年4月1日19:38:58。ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(D=60mm,f=378mm)+NikonD5500。ISO200。180秒露出。トーンカーブ処理済。下の写真は中央部分のピクセル等倍で切り出し。

 さすがに3分露出になると盛大に流れます。
 南東-北西方向のズレなので、これは極軸の設定が甘かったということ。他の写真を確認したら時間を追うごとに南へずれているので、極軸を西に移動して微修正すればよかった。のですが、後から調べたことでそこまで気が回りませんでした。

 この感じだと100mmくらいならノータッチで3分いけるかな。
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2017年03月27日

AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡

 AP赤道儀導入 その1
 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡←ここ
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫

 AP赤道儀には純正品の極軸望遠鏡PF-Lがオプションで用意されています。北極星と付近の星2つをパターン上の指定の場所に合わせる時角計算が不要なタイプ。自動消灯機能付きの暗視野照明が付いているなど高機能ですが、値段もそれなりで、メーカー希望価格が税別\28,000、実売価格が\24,000前後といったところ。

 AP-WM追尾撮影スターターセットでは全体の値段を押さえることもあり、ショップオリジナルの極軸望遠鏡を付けています。こちらは水平出しと時角計算が必要なオーソドックスなタイプ。

 価格差が8千円程度なのでどうしたものかと思って検索していると、純正品の極軸望遠鏡PF-Lの使用レポートがありました。

Vixen AP星空雲台を使ってみました(Telescope_Factory:2015.3.18)
Baader Hyperion 36mmでお気軽コリメート撮影-2(Telescope_Factory:2015.3.24)

 視野周辺部の収差で像が悪化する部分で恒星の位置合わせをするので、ちょっと見づらいとのこと。遠征時の空の暗い場所ならよいとして、神戸の自宅近辺で4等や5等の星を確認するのは厳しいかもしれません。今回はショップオリジナルの極軸望遠鏡を使うことにしました。

 さてこちらがその内容品。iOptron社製の極軸望遠鏡K-ASTEC社でカスタマイズしたものということで、極軸望遠鏡本体明視野照明装置、調整用のレンチが入っています。

 AP赤道儀への取り付けは赤道儀の極軸体にねじ込むだけで簡単。後で初期調整を行ないます。
 説明書には書いていないのが極軸望遠鏡のピント合わせ。景色とパターンの両方のピントを個別に調整できるようになっていますが、景色のピント調整リングは極軸体の内部に入ってしまう部分に付いているので、取り付け前に合わせておかねばなりません。

 私は取り付けた後で景色とパターンのピントがずれてることに気付いて(出荷時に調整していると思うのですが、個人の視度差もありますから)、どこで合わせればよいのか分からずに困りました。

 初期調整はマニュアル通りに。
 まずは極軸望遠鏡のパターンの垂直を決める作業。遠くの塔や建物を利用して鉛直方向を決めて、マークしておきます。

 次は極軸体と極軸望遠鏡の平行を調整する作業。景色を見ながら極軸体を回転させて、パターン中心と視野の中心がズレないように追い込みます。天体望遠鏡のファインダーを調整するのに近い要領。難しくはないのですが手間はかかります。とはいえ最初に合わせてしまえば後で狂うものではないので慎重に作業します。
# 参考:スカイメモSの極軸修正方法と極軸の合わせ方について(カメラde遊ingのブログ:2016.03.08)

 この段で気付いたのですが、この極軸望遠鏡はアイレリーフが短くて、メガネを掛けたままでは全視野を見渡すことが出来ません。メガネを掛けていてもパターン周辺は見えるので何とかなるとは思いますが、これは盲点でした。
 そういえば極軸望遠鏡はカタログにアイレリーフの情報は載っていないのが普通で、これは改善してほしいと思います。

 そういえばAP赤道儀は、水準器を置く場所がありません。三脚の上面は赤道儀を載せてしまうと水平な場所がないし、赤道儀本体にも平らな場所がありません。
 赤道儀を付ける前の三脚上面で水平を出すか、極軸体上面のアクセサリーシューを利用して水準器を付けるしかなさそうです。

 北極星の時角はスマホのアプリで表示できるので、これは難しいことはありません。

 極軸望遠鏡の明視野照明装置はAP赤道儀の赤緯体に収まるようになっています。取り付けもドライバー一本で
簡単。上手くつくったものです。
 照明装置のスイッチは赤緯体のカバーの内側で操作をしにくい場所。スイッチを入れっぱなしでも10年は電池が持つ(計算)とのことで、基本は点けっぱなし推奨という割り切った仕様です。
# 通電で電池が消耗するのと、経年で電池が消耗するのと、変わらないのかも。

 AP赤道儀の赤緯体にはスライド式のフタがついているのですが、この明視野照明装置を付けると、青色のボリュームの突起がカバーと干渉して蓋が閉まらなくなります。これは製品説明のサイトでも明記されているので事前に知っていましたが、せっかくの機能が使えないのでちょっともったいない気分。ここはサードパーティ製品ゆえの割り切りでしょう。
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2017年03月26日

AP赤道儀導入 その1

 AP赤道儀導入 その1←ここ
 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫

 というわけで、ビクセンのAP赤道儀を導入しました。
 協栄産業で販売している両軸モーター仕様のAP-WM追尾撮影スターターセット。「WM」は「W(Double) Motors」で両軸モーターのこと。赤道儀本体に三脚や極軸望遠鏡などをセットしたものです。

 私の用途なら日周運動が追尾できれば十分なので、赤経モーター仕様の「AP-SM(Single Motor)」で用が足りるのですが、両軸モータなら将来オートガイダーを使える拡張性を考慮しました。とはいえセット品で割安感があったのがAP-WMにした一番の理由。とはいえ天文関係で一度に6桁の買い物をするのはこの10年来なかったことです。


 開梱の儀。段ボール箱を開けると、まずは説明書など。その下にコントローラーとケーブルとウェイトシャフト。更にその下に赤道儀本体とバランスウェイト。

 説明書は赤経モーター仕様のAP-SMのものですが、両軸モーター仕様のAP-WMの補足説明が一枚付いてきます。説明書自体は分かりやすく出来ていると思います。

 星座早見盤とビクセンオリジナルの「星空ガイドブック」もセットされています。我が家の星座早見盤はこれで何枚になったことやら。「星空ガイドブック」は望遠鏡で使い方や観察方法を中心に編集されたガイドブックで、一通りのことは押さえてあって、まずまずよく出来た冊子だと思います。光景や倍率による見え方の違いを図解しているのは良い点。

 三脚は三段伸縮で、コンパクトに畳めます。短縮時の長さは60cm程度。
 面白いのはステーのてっぺんが赤道儀を固定するネジになっていること。分解するパーツが一つ減るので、よく考えられています。

 赤道儀の組み立てはどのメーカーも大差ないのですが、今回は電装系もありますし、説明書を確認しながら組んでいきます。

 ほどなく組み上がり。
 コントローラーのケーブルが一本でスッキリしていたり、クランプの位置も分かりやすかったり、GP赤道儀で使いにくかった点は改善されている印象。

 コントローラのケーブルが今や懐かしのシリアルケーブル(RS-232Cなどで使うもの)で、端子部が大きいのと接続時に手回しネジで固定するのはちょっと面倒。シリアルケーブルは信頼性が高く、観測中に不慮に引っこ抜けることを考えたら、この規格にした理由は分からなくもないですけれども。

 電源は家にあったモバイルバッテリーとUSBケーブルで給電しています。スマホ持ちの人なら予備のモバイルバッテリーはいくつか持っているので、それを流用できるのは便利。

 三脚はステーのあるタイプで、BORGの三脚のようにストーンバッグを付けてアクセサリー置き場にすることは出来ません。観測中に接眼レンズを置く場所は別途、用意することになります。モバイルバッテリーの置き場も考えないと。

 バランスウェイトは1kgのものが付いてきます。ファインダーを付けたBORG77EDにはウェイトが軽すぎて釣り合いが取れませんが、ミニボーグ系は余裕な感じ。ウェイトは買い足すことになりそうですが、それまではペットボトルに何か詰めて括り付けるなどで対応しようと思います。

 ひとまずはここまで。
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2017年03月11日

赤道儀導入検討中 その2

AP AP-WM PM-1 EQ-3 GOTO EQ-5 GOTO Advanced-VX
赤経微動 全周微動
歯数:144枚
全周微動
歯数:144枚
全周微動
歯数:144枚
全周微動 全周微動 全周微動
赤緯微動 全周微動
歯数:144枚
全周微動
歯数:144枚
全周微動
歯数:112枚
全周微動 全周微動 全周微動
自動導入 非対応 非対応 非対応 対応 対応 対応
極軸望遠鏡 別売 組込済 内蔵 -(PA付) 内蔵(PA付) 別売
モータードライブ 別売(両軸対応) 両軸付(PEC付) 赤経内蔵(赤緯非対応) 両軸付 両軸付 両軸付(PEC付)
電源 - DC5/6V(単三4本/USB) DC6V(単三4本) DC12V DC12V DC12V3.5A
搭載質量 約 6kg 約 5kg 約 5kg 約5.5 kg 約 9.1kg 約13.6kg 
本体質量 3.6kg(ウェイト別) 4.2kg(電池・ウェイト別) 5kg (ウエイト、シャフト別) 7.7kg
ウェイト 1kg 1kg 1.4kg 3.4kg+1.8kg 5.1kg+5.1kg 5kg
システム総重量 約7.5kg (約9kg) 約16kg 21.8kg 約21kg
その他 GP互換 GP互換
実売価格 68,000円
(三脚付86,700円)
三脚付148,000円 214,000円
(三脚付272,000)
三脚付79,800円 三脚付89,800円 三脚付95,048円

 検討中の機材のカタログスペックを並べてみました。
 こうしてみると、国産のビクセンAPやタカハシPM-1と、海外製スカイウォッチャーEQ-3 GOTO、EQ-5 GOTO、セレストロンAdvanced-VXではコンセプトが違うことがわかります。

 EQ-3はビクセンスペースギア赤道儀、EQ-5はビクセンGP赤道儀のコピー品、Advanced-VXも先代のAdvanced GTはGPD赤道儀のコピー品で、その発展系。
 EQ-3/EQ-5は両軸モーターを装備した自動導入機が主力。本体の作りはしっかりしているという人もいれば、粗さが目立つという人もいます。ギアの精度はモータードライブの制御でフォローして、実用上は問題ないレベル。というか電子化は国産品より進んでいる気もします。搭載重量の大きいEQ-5はオートガイダーと組み合わせて星野写真撮影に使われ、検索するとユーザーのレビューも多く見つかります(トラブル体験談もそれなりにある……解決はしているようですが)。
 EQ-3/EQ-5のオプションパーツはGP/GPDにも付けることが出来るので、これを利用してGP/GPDを自動導入機にする人もいるようです。

 ビクセンAP赤道儀はGP赤道儀の後継のような位置付けですが、何でも屋だったGPに比べて、軽量コンパクトな作りです。GP時代は20cmシュミカセまで載せたセットがありましたが、APでは13cm反射まで。ケーブル類もすっきりしてますし、ポルタ経緯台の延長で気軽に持ち出して使うことを意識しているのだと思います。
 電源がDC6Vなのは地味に大きな変化。GP系のDC12Vだと何kgもある大きなバッテリーを用意する必要がありますが、APは単三4本またはモバイルバッテリーからの給電も可で、荷物をぐんと軽くすることが出来ます。代償としてモーターの高速回転が出来ないため、自動導入には(公式には)非対応。割り切ったといえば割り切った感じ。

 タカハシPM-1赤道儀は同社のP-1赤道儀の後継的な位置付けですが、システム化され、オプションパーツを介してポタ赤や経緯台、片持ちフォークマウントまでの組み換えも可能。電源はDC6Vで単三4本。モータードライブは赤経のみで、APよりさらに割り切っています(PM-1の方が発売は早いです)。

 EQ-3やEQ-5は車に載せて移動して自動導入も活用しながらグイグイ振り回して使うのに対し、APやPM-1はお気軽観望や荷物量を押さえた遠征にも対応したシンプルな赤道儀ということになりそうです。

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