2019年06月13日

多摩六都科学館(2月23日)

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 多摩六都科学館は東京都西東京市にあります。六都は小平・東村山・田無・保谷・清瀬・東久留米の6つの市で、共同で科学館を運営しています。このうち田無市と保谷市が合併して西東京市となり、今に至ります(科学館は元の田無市側)。

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 プラネタリウム投影機は五藤光学のケイロンII。「最も先進的なプラネタリウム」としてギネス世界記録に認定されています。
 このカテゴリーでは、日本科学未来館の大平技研「MEGASTAR-Ucosmos」(2005年)に認定され、2012年に多摩六都科学館の「ケイロンII」が更新しています。「最も先進的」とは抽象的なものさしですが、投影できる恒星数は認定当時いずれも世界最大。ただ星の数だけに留めず、LED光源を採用するとかの新基軸を含めた評価にしたものと思われます。
 見下ろすような傾斜の27.5m径大ドームは国内3位、世界でも4位の大きさです。

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 展示室から。おそらく実物大のスペースシャトルの機首部。1994年の開館当時は宇宙開発の花形でした。有翼タイプの再利用宇宙船が、後継機もないまま引退して今に至るとは当時は思いもしませんでした。

 岩石・鉱物の展示が充実していて楽しいです。地元にスポット当てたコーナーもあるので、身近なところから興味を持ち、深めるきっかけになると思います。私の故郷は関東平野とはいえ、河原には砂しかなく、地面を掘っても関東ローム層の赤土しか出ないところだったので、身近にいろいろな種類の岩石を見ることがなかったのです。興味をもつ機会と深めるきっかけになる場所があるのは素敵です。
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2019年05月26日

KAGAYAスタジオフェス(ソフィア堺)

20190526sakai001.jpg 2019年5月25・26日の2日間、大阪・堺市のソフィア堺プラネタリウムで「KAGAYAスタジオフェス」が開催されました。
 「銀河鉄道の夜」を始めとするKAGAYAさんの全天周映像作品を、これまでに制作された7本全て、朝から夕方まで上映しようという企画です。

 プラネタリウム1日7本というのは割と無茶で、入れ替え込みで1投影1時間としても7時間拘束。今回は11時スタートの19時前の終了。ほとんど耐久レースです。
# 以前、明石で1日6投影というのを経験しましたが、あれはプラ寝たリウムで寝に行く企画でしたから。

 ところが初日の土曜日、なんと100人もの方が7本通しで見たというのです。正気ですか、みなさん。
 そんなわけで、私は2日目に参加してきました。ちなみにこの企画以前にKAGAYAスタジオの全天周映像は全て見てます。何しに堺に行ったんだろう私。

20190526sakai006.jpg 券売機には「7回見る人はこちら」というボタンがあります。ソフィア堺プラネタリウムって実はおかしいプラネタリウムだったのか。

 ええ、もちろん押しましたとも。

20190526sakai004.jpg ところで初日にKAGAYAさんいらしてたという話は聞いていたのですが、2日目も会場にお見えになってました。プライベートでのご来訪とのことですが、ロビーではプラネタリウムの列とは別にKAGAYAさんの待機列ができ、KAGAYAさんもにこやかにサインなどのファンサービスに応じています。これまでも何度もこんな場面に遭遇していますが、ほんとファンの方々を大切にされる方です。
# 写真は2回目の「宇宙一直線」上映前に、急遽、舞台挨拶されたKAGAYAさん。


20190526sakai024.jpg 初回の「銀河鉄道の夜」は開演ギリギリに滑り込んだので、端の方の席しかなく、前から2列目で見ることになりました。全天周映像はドーム中央で見るのを前提に作られるので、たいてい真ん中から後ろの席で見るのですが、ここまで前方で頭上を覆うような体験は初めてです。

 ソフィア堺プラネタリウムではこの企画に合わせてプロジェクターのランプを交換。プロジェクターのランプは定格の期間内といえども次第に輝度が下がってくるので、交換直後がもっとも明るく鮮明な映像を見ることができるのです。
 「銀河鉄道の夜」はそれこそ十回以上見ていますが、なるほど鮮やかさと鮮明さはこれまで見た中でもトップクラス。またスピーカーの近くだったこともあり音響も大迫力でした。
 番組の前の星空案内は、宮沢賢治の時代の岩手の空を紹介。毎回の解説員が時には番組内容に合わせてドームスクリーンの星空を紹介するのも、なかなかの気合の入れようです。

 2作品目は「宇宙一直線」。
 KAGAYAさんの自伝的な番組で、今から見るとスターリーテイルズの予告編的な内容も含んでいたりするのが面白かったりします。ご本人も一緒に見てらしたのですが、隣の人はドキドキだったろうなあ。

 3作品目は「スターリーテイルズ」。ギリシャ神話に題材をとった、映像美と姫神の音楽に酔いしれろと言わんばかりの作品ですが、お昼ご飯の直後で少し記憶が飛んだ……ファランクスが槍をざっと突き出す場面を見てない……(既に3回目くらいなので、どの場面を寝てたか覚えてる)。

20190526sakai028.jpg ソフィア堺のプラネタリウムはドーム径18mの傾斜型。座席は166席とそれほど多くはありません。2日目は通し券を買った人が70人いたとかで、最初から半分の席が埋まるのが確定しています。
 見やすい席を取ろうとすると、退出後にすぐに次の待機列に並ばないといけないわけで、15〜20分ほどの幕間はひたすらロビーに行列するという耐久レース状態。

 4作品目「アースシンフォニー」。これがいちばん危険なのは事前に分かっていました。
 この作品の音楽は清田愛未さん。ゲーム音楽でも活躍されてらっしゃる方ですが、山梨県立科学館のプラネタリウムの番組の音楽も担当されていて、そのサントラが心地よいので自宅で寝る前によく掛けていたのです。
 案の定、条件反射的に眠りに落ちました。記憶が……ない……

 5作品目「富士の星暦」。
 この作品はお気に入りで、頑張って投影機のすぐ後ろの席を取り、ほぼベストポジションで堪能。
 星空案内で山にちなんだ星座として「テーブルさん座」(ケープタウンのテーブルマウンテン)を紹介されてたのは、大真面目なのかギャグだったのか。

 6作品目「オーロラの調べ」。今度はドーム後ろから2列目のほぼ中央。
 傾斜館でここまで後ろの席に座ったことはないのですが、展望台から見下ろしているようで新鮮な雰囲気でした。
 基本はドーム中央付近がベストポジションではあるのですが、前の方の席だと映像に包み込まれるような感覚になり、後ろの席だと映像を俯瞰するような感覚になります。これはこれで見比べても面白いもの。
 
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 1階ロビーではKAGAYAさんの作品展を開催。実は2019年夏の明石市立天文科学館の特別展が「KAGAYA写真展」です。 今から楽しみ。

20190526sakai015.jpg 7連続投影も最後の一回、7作品目「星の旅 -世界編-」。
 2018年に公開された最新作で、北極圏から南半球ニュージランドまで、世界各地の絶景と星空の映像を堪能。
 こちらも今まで見た中で一番きれいな映像で楽しめました。ウユニ塩湖の星空は何度見ても圧巻。

 最終回は全天周映像の後に星空案内があり、この日の晩に予報が出ていたスターリンク衛星の見え方が紹介されました。帰宅されたKAGAYAさんも撮影を試みるということで、同じ空を見上げましょうという粋な計らい。とても満ち足りた気分でドームをあとにしました。

20190526sakai022.jpg 光学式投影機インフィニウムβの勇姿。この投影機も25年目ですが、今なお素敵な星空を映してくれます。
 この日の星空案内の中では、星座絵や星座線を出さずに、光学式投影機だけを使って解説した回もありました。

 2日間合わせて170人もの方が通しで見られたそうです。番組を選んで来られた方も多く、ほとんどの回が満席もしくはそれに近い状態。
 全国一斉に封切られる映画と違って、プラネタリウムの全天周映像は見る場所と機会が極めて限られてしまいますから、この機会に未見の作品を見ておこうという方も多かったのではないでしょうか。

 同時開催のギャラリーでの作品展といい、毎回の趣向を凝らした星空案内といい、一見無茶なようでいて、しっかりソフィア堺のみなさんの思いと熱量を感じた企画でした。楽しい耐久レースでした。
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2019年04月30日

プラネタリウム訪問リスト(〜2019年4月)

 これまでに訪問したプラネタリウムをまとめました。累計で90館です(休止・閉館したものも含む)。

 掲載館は「プラネタリウムデータブック2015年度版」(日本プラネタリウム協議会)のリストを元にしており、掲載順も準じています。

 表記は下記の通りです。
・館名(ドーム径座席形式/投影機システム)初回訪問日
・☆は投影を見た投影機。
・初回訪問日は分かる限り記していますが、思い出せないものも少し残っています。
・[Z機巡り]は全国カールツァイス・プラネタリウム巡り(2013.4〜2014.4)の参加館
・[プラレア33]は全国プラ「レア」リウム33箇所巡り(2015.5〜2018.7)の参加館。

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2019年04月11日

大阪市立科学館プラネタリウム・展示室リニューアル

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 大阪市立科学館のプラネタリウムと展示室がリニューアルされました。
 3代目となるプラネタリウム投影機はコニカミノルタ・インフィニウムΣ-OSAKA。サッカーボールのように5角形と6角形で分割された表面のデザインが新鮮です。
# 前身の大阪市立電気科学館から数えると4代目(ツァイスU型→インフィニウムα→インフィニウムL-OSAKA→インフィニウムΣ-OSAKA)

 リニューアル後に投影されている「星の光景ベスト10」は、投影機の新機能の顔見せを兼ねた内容で、これを生解説でやるのが大阪。解説員によってちょっとずつ味付けが違うので、複数回観るとなお楽しいと思います。

 新しく加えられた月食投影機は雰囲気をよく再現していますし、レーザーを利用したという新開発の超新星投影機は笑っちゃう明るさ。
 投影機本体は、引き続きシャープな星像に、星の色も分かりやすくなった感。星の色のフィルターは先代から変えていないそうで、おそらく光源がメタハロからLEDに変わったことで、青白色から白色が判別しやすくなったのだと思います。
 天の川の雰囲気も派手すぎず地味すぎず、実際の見え方に近い印象。双眼鏡で星雲星団を探すと、単にボーッとした光芒ではなく、例えばM46・M47といった散開星団も特徴を掴んだ表現がされています。

 分かりやすい派手さでなく、星を映す基本性能に磨きをかけてきた印象で、これは最近のプラネタリウムの潮流なのかもしれません。

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 インフィニウムΣは存在感のある投影機なので、投影終了後に記念撮影されてるお客さんも多いようです。
 投影機のすぐ後ろ、中央通路のすぐ上は以前は大型映像の映写機が鎮座していましたが、ここも座席になったので、見やすい座席が増えました。なおイスはリニューアル前のものを引き続き使っているそうで、引き続きフカフカで寝心地がよいです(ぉぃ)。

 訪問前日(4月10日)夜に発表されたイベントホライゾンテレスコープによるM87中心ブラックホールの撮像も、生解説メインの回ではさっそく投影内で紹介されていました。こうした柔軟さはさすがです。

20190411osaka034.jpg 大阪市立科学館のプラネタリウムのエントランスはおとめ座銀河団の写真が壁一面に貼られていて、そこにもM87の位置を示すラベルと今回の成果を紹介するポスターが掲示されていました。

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2019年04月04日

倉敷科学センタープラネタリウムリニューアル

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 倉敷科学センターのプラネタリウムに、2019年3月27日より五藤光学ケイロンVが導入されました。開館以来働き続けた仙台のGSS-HELIOSに代わるものです。

 プラネタリウムの投影は、新機能の紹介を主軸においた前半の「新しい宇宙」と、後半の生解説の星空案内の素敵な50分でした。
 すごさを感じさせない素敵な星空と、すごくて笑ってしまったスカイラインと、鮮明で精細な全天周映像が、ハイレベルでなおかつ調和していて、現代のプラネを突き詰めるとここまで行くんだなぁと感嘆。
 この日は2回投影を見ましたが、最初の三島さん、2回目の石井さんと、それぞれ星空案内も投影機の違う機能を引き出しながらの生解説です。同じ番組でも2度美味しいのが生解説の楽しいところ。

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 倉敷のケイロンVの星空は派手すぎず、実感に近い雰囲気。場面ごとに星の明るさや瞬き具合を変えているそうで、見ているときは自然に見えていて、後から言われて思い起こせばそういえばという感じです。このあたり、「すごさ」を感じさせない玄人ぶりで、好感を持てます。天の川の描写は五藤光学ならではの太めの天の川で、この辺りはメーカーの味付けが分かれます。
 
 倉敷のケイロンVは写真映えのよい投影機で、黒字に金帯のカラーリングはどう撮ってもカッコよく写ります。もしかするとこれからは投影機の見栄えも考慮するプラネタリウムが増えるかもしれません。

 スカイライン(地上の風景)は、倉敷は鷲羽山から見た瀬戸大橋を映すのですが、ここにプロジェクター3台をつぎ込む贅沢な仕様。イラスト風のスライド映像が、いきなりハイビジョン動画にパワーアップしたくらいの印象です。
 先に四日市のプラネタリウムでも採用されているのですが、倉敷ではもともとの眺望の良さを活かして、積極的に演出に活かしています。

 今回のリニューアルではドームの中央、光学式投影機の上にあった70mmフィルムの大型映像投影装置が撤去され、そこにも座席が新設されました。プラネタリウムは一般的にドーム中央に近いほど、歪みなく全天を見ることができる良い席とされていますが、そうした意味ではまさに特等席。
 座席に赤いカバーを掛けて「おすすめ席」を表示しているのが心憎いばかりの配慮です。

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2019年03月14日

和歌山市立こども科学館プラネタリウムリニューアル

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 この3月にリニューアルした和歌山市立こども科学館のプラネタリウムを訪問。
 新しい投影機はコニカミノルタのコスモリープΣ。最新の投影機らしく、落ち着いた星像で、ドーム径以上に空の広がりを感じるような星空でした。投影は星空案内とKAGAYAスタジオの全天周映像「星の旅」。こども科学館の年齢層を意識してか、日本語字幕付きの上映なのが新鮮でした。
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 ドーム内の椅子も交換されて、雰囲気がすっきり現代的になりました。

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 プラネタリウムのロビーには、2018年まで和歌山市立こども科学館で使われていたミノルタMS-10投影機が展示されています。
 引退した投影機の展示自体は珍しいものではないのですが、和歌山の展示はすごい。現役時代から投影機の各部に役割を示すラベルが貼られていたのですが、ロビーのガラスケースの中にMS-10の全てをつめこもうとしているかのようです。静かなる熱量と半端ない情報量。

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 写真は載せますけど、これはぜひ実物を見てほしい。見れば見るほど引き出しが開くような、そんな展示です。

20190314wakayama021.jpg 旧和歌山市天文館に設置されていた金子式プラネタリウム。下のモニタ(ブラウン管!)では、和歌山天文館と運営していた高城武夫さんを紹介するビデオが上映されています。

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2019年03月10日

プラネタリウム「星よりも、遠くへ」(伊丹市立こども文化科学館

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 仙台市天文台制作のプラネタリウム『星よりも、遠くへ』を伊丹市立こども文化科学館で見てきました。3月11日からの「それから」を生きる人々と星空の物語。丁寧な取材を幾度も重ねたであろう被災者の証言。満天の星に重ねられる人々の思い。よい作品でした。

 前作の『星空とともに』が最初に公開されたのは2012年3月のこと。今から考えると震災発生から一年というタイミングで、よく番組を作ったなと思います。
 2011年3月11日の夜、東北全域の停電は復旧しないまま、被災地には光害の全くない夜空が広がりました。寒さに震えつつ救助を待ちながら、避難先で先の不安に襲われながら、連絡の取れないままの家族を心配しながら……様々な人々が、ふと見上げた星空の美しさに、それぞれの思いを重ねます。

 仙台市天文台の方々は、被災した状況下で、自分たちの仕事の意味を考えたのだと思います。そして人が星空を見上げるという行為の意味に、本気で取り組んだ。

 第一作「星空とともに」は、新聞の投稿欄やラジオに寄せられた被災者のメッセージから、星空にまつわるエピソードを集めたもの。 当初は仙台市天文台だけでの上映だったのですが、2013年に日本プラネタリウム協議会の全国大会で試写が行われました。これを見た関係者から「うちの館でも上映したい」という声が上がり、2014年からは3月に合わせて全国各地のプラネタリウムで上映されています。これまで累計で40館くらい。

 プラネタリウムでよその館の番組を上映するのは以外に大変で、投影機のメーカーも違えば補助投影機の機材も様々。ほとんどの館ではプログラムで制御できる投影機を使っていますが、ものによっては20年以上前の投影機もありますし、明石のようにフルマニュアルの館もあったりします。
 ただ最近はドーム全体に映像を映すデジタルプロジェクターを併設するのが一般的になり、そちらを利用してよその館の番組を上映出来るようになっています。

 私が初めて「星空とともに」を見たのは2016年。兵庫県内では伊丹市立こども文化科学館と姫路科学館で上映が行われていて、家から行きやすい伊丹で見ました。

 「星空とともに」は3月11日の星空に重ねされた人々の想いを朗読する、シンプルながら芯の通った番組。震災から1年という時期の制作・公開なので、証言も3月11日当日やそこから間もない時期のものが多く、生々しいというか、涙なしには見ていられません。それでも前向きに終わるような構成になっていて、見てよかったと思いました。

 2018年に「星空とともに」の続編作成の発表と、制作資金を求めるクラウドファンディングの呼びかけが行われました。一も二もなく参加しました。

 今回も被災者の手記をベースに展開するのですが、震災から7年目に制作されたものですから、出てくる人々はみな、震災後の時間を生きてきた人たちです。

 震災は「3月11日にあった」のではなく、「3月11日からずっと続いている」。
 完成した第二作「星よりも、遠くへ」に流れているのはこの感覚。

 失ったもの、二度と戻らないものがあっても、生きるしかない。7年経ったら普段の暮らしの中で震災を意識することは少なくても、ふとした時に震災の傷跡がむき出しになる。
 神戸に住んでいるのでこの感覚が分かるけど、そうでなければどうだっただろう。やっぱり「3月11日にあったこと」と思っていただろうか。

 第一作は震災から一年という時間の中で、あえて前を向く必要があった。第二作は前を向くのではなく、あえて今に向き合った。そんな印象を受けました。

 クラウドファンディングの出資者として、意義ある企画に関われてよかったと思います。

 2019年も全国30数箇所のプラネタリウムで上映されるのだけど、なにせプラネタリウムは数が少ないし足を運ぶ人も限られています。今回はDVDも作成したので、プラネタリウム以外の平面スクリーンでも上映できるとのこと。
 前作と合わせて、多くの人の目に触れる機会が増えるといいなと思います。
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2019年02月24日

銚子市青少年文化会館

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 「プラレアリウム巡り」の6番札所だった銚子市青少年文化会館(千葉県)は、市の財政難で2019年3月末で休館となります。
 そこで「銚子のプラネを訪問します。日程の合う方はご一緒しましょう」という井上館長のツイッターでの呼びかけ。お礼参りを兼ねて同窓会的にわいわい星空を眺めたい――休止は寂しいけれど楽しいことなら参加せずにはいられないのがプラレア巡りの人々です。
 カレンダーとにらめっこして、うっかりポチッと飛行機を予約しました。

 銚子は「国のとっぱずれ」と歌われる関東最東端の街。沢口靖子の出世作となった朝ドラ「澪つくし」の舞台です。東京駅から特急で1時間47分、普通列車の乗り継ぎなら2時間半。意外に遠いというか、本当に遠い。誰ですか、こんなところに集まろうなんて言い出したのは。

20190224choshi01.jpg 2019年2月24日、春まだ浅き房総の地。
 東へ向かう電車にはどこかでお見かけした顔がチラホラと。どうやら同好の士がいるようです。

 青少年文化会館に到着すると、ドームは既に空席を探すのが難しい賑わい。長年親しんだプラネタリウムの休止を聞いて、地元のみなさんも大勢、足を運ばれています。ほどなく満員札止めとなり、急遽、追加投影の告知も出されました。

 投影前に井上館長にお声がかかり、マイクを渡されてご挨拶。続いて長年プラネタリウムに携わってきた地元の天文ファンの神原さんが、青少年会館の歴史や取り組みを紹介します。地元紙やNHKまで取材に入り、ちょっとしたイベントのよう。

20190224choshi04.jpg 投影機はミノルタMS-10。周囲には所狭しと補助投影機が増設され、中には他館から引き継いがれた機材もあります。この年季、この風格こそ関東最古参。

 投影は生解説の星空案内。
 最初にドームに映し出されるのはお昼の太陽。銚子の東経は140度49分。ここでは常に11時台に太陽が南中し、正午に南中する日は一日もありません。
 淡い太陽が沈むと星空案内。素朴ながらも熱のこもった語り口で、季節の星座をこれでもかと紹介するのが銚子のスタイル。増設された補助投影機を駆使して、明石では及びもつかぬ数の星座絵が登場します。

 所変われば星空が変わり、解説が違えば星空の切り口が違うのも、その地その地のプラネタリウムの楽しみ。そこに住む星を愛する人々の思いを感じるからこそ、遠くのプラネにに足を運んでみたいと思うのかもしれません。
 ドームスクリーンにきらめく星の明かりは、宇宙に託されたその土地の文化の灯火。銚子の街に再び星の灯火が灯る日が来ることを願います。
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2019年02月23日

府中郷土の森博物館

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 府中郷土の森博物館プラネタリウム。
投影機は五藤光学研究所の最新型ケイロンIII。23m水平型の大きなドームに精細な星空が映えます。生解説の投影は客との距離が近くて親しみを感じる雰囲気でした。

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 旧投影機の五藤光学GL-AT。五藤光学研究所の本社は府中にあり、いわばお膝元の博物館です。天文展示の一角にも同社の活躍を紹介するコーナーがありました。なんと言っても世界有数のプラネタリウムメーカーですから。
 ところで、「『Fuchu』には『Uchu』がある」って、キャッチフレーズがダジャレでいいんですか?

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2018年11月22日

大阪市立科学館

 ラストまであと一週間となった大阪市立科学館のプラネタリウム、インフィニウム L-OSAKAの星空を見てきました。
 11月30日(金)には夕方から特別投影があるのですが、仕事の都合で参加能わず。個人的には今回が最後となりそうです。

 解説は石坂さん。
 大阪は傾斜式ドームですが、実際の水平に合わせて地平線を設定する人(北天の低い部分が写らないけど気にしない)と、傾斜したドームの周囲を地平線として投影する人(星空全体が斜めに傾くけど気にしない)がいます。同じプラネタリウムに混在している適度なゆるさが素敵ですが、石坂さんは前者。
 日の入りの曲はボーカル入り、ちょっとポップな雰囲気でスタート。

 インフィニウム L-OSAKAは2003年の導入。当時は大平技研のメガスターが話題になり、またデジタルプロジェクタを用いた全天周映像が導入されつつある頃でした。大阪の投影機は恒星はメタルハライドランプの光を光ファイバーで導光して明るくシャープな星を映しつつ、天の川は微光星の集まりで表現する凝った作り。恒星の光階差も実際に近い雰囲気で、恒星は瞬いて惑星は瞬かないとか、大型のドームと相まって実感に近い星空でした。見た目に近い星空を映してくれるという点で国産機トップクラスの投影機だと思います。
# 明石はハロゲンランプを用いているとはいえ、やはり電球色っぽい。
 


 導入当初から知っている投影機だけに、もう更新なのかという驚きと、15年も経てば普通はそういう時期かという納得が入り交じる気持ち。
 15年間お疲れ様でした。最後まで無事の投影を。
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