2017年04月29日

ひよっこ

 NHK朝ドラの「ひよっこ」を観てます。
 この土曜日で奥茨城編終了。期待しないで見始めたドラマでしたが、どっぷり浸かってしまいました。
 
 茨城が舞台、高度経済成長期の集団就職、ヒロインは有村架純という時点で、ぜんぜん期待していませんでした。
 NHKの朝ドラは新進の女優を起用することが多いので(例外も多々ありますが)、別作品とはいえ朝ドラで売れっ子になった有村架純を使うのは新鮮味がない。
 高度経済成長期を扱うのも今さらという感で、今回の主人公は何かになりたいわけでもなく、家庭の事情で稼ぎに行くための上京。先の展開の芯になるものがまったくない。
 茨城はただでさえ「魅力度ランキング47位」なのに、奥茨城は本当にただの農村。伝統芸能もなければ面白い祭りもない。谷田部家もただの稲作農家で父ちゃんも母ちゃんも地元の出身。これでどうやって話を作るんだ。

 と思っていたのですが、完全に裏をかかれました。
 基本的には普通の人々の普通のくらししか描いていないのですが、日常生活の中のちょっと嬉しかったり、ちょっと不安だったり、ちょっと素敵だったり、ちょっと悲しかったり、そんなエピソードを拾ってつなげて重ねて、奥茨城の人々の心根と人のつながりをふんだんに描き上げました。
 主人公と幼馴染とその家族にはすっかり思い入れを持ってしまったなあ。奥茨城編終盤はほとんど毎日、涙腺突っつかれてた気がします。

 あと個人的にはテレビからお国言葉が聴こえてくるのが面白い経験。
 奥茨城村は茨城県北西部の設定ですが、方言はおそらく県央(水戸の辺り)を元にしたクセのない茨城弁になっています。どこの方言でも細かい地域差はあり、県北の言葉を完全再現すると県南の私でも聞きにくい言葉があるかもしれません。まして他地域の人には字幕のいるドラマになってしまうと思うので、雰囲気が分かる範囲にアレンジするのは理解できます。

 今作の出演陣の茨城弁は総じて雰囲気が出ていて、たまに「ああ、こういう言い回しするわ」とハッと懐かしくなることが多々あります。羽田美智子の茨城弁が抜群にこなれてて、何でだと思って調べたら私の田舎の隣町の出身でした。ネイティブなら仕方ない。
# とはいえ県央の言葉と違うので方言指導で直されることがあるそうです。

 父ちゃん役の沢村一樹の茨城弁もいい感じだなあと思っていたのですが、こちらは芸人の赤プルのネタを聴いて覚えたそうで、赤プルも私の田舎の隣町の人なのです。何ていうか、自分の耳でも細かい差を聞き分けているのがびっくりです。

 主人公と幼馴染の2人の関係が、家族模様も含めて丁寧に描写されてきただけに、舞台が東京に移って、奥茨城の出番が減るのがちょっと寂しくもあります。東京編も引き続き面白いドラマでありますように。
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2017年04月16日

おんな城主直虎 その3

 女性が主人公の歴史もの大河ドラマは難しいのですが、今作は健闘しています。面白いです。

 それにしても井伊家。
 素直で単純で他人の裏を読むことは出来ない人たちばかりで、だからこそ地域では気のいい領主で、だからこそこうした小さな国衆が戦国の世で滅んでいったのだと分かりやすく示してくれます。知恵者兼憎まれ役担当の小野但馬も、井伊家だからこそ目立つ存在で、他家だと名もない一家臣レベルの人物です。
 昨年の「真田丸」の春日信達や室賀正武に当たるのが今回の井伊家なのでしょう。一族がみな優秀な人材だった真田家と違って、一族がみな普通の人だった井伊家。赤備えで名を馳せた両家ですが、2年続けての戦国もので、鮮やかな対比を見せています。

 直虎こと次郎法師はとにかく何の力もない主人公で、城主になるまで、いや、城主になってもしばらくの間は井伊家をめぐる重要局面で表立って活躍していません。それがまた現実に即した感じで面白い。
 長年お寺にいたおかげで、政治行政の経験値がゼロ。城主になってもミス連発トラブル続発で、そりゃ領主の娘ってだけで一族郎党を率いるのが無茶だというのが痛いほど分かるシナリオです。ていうか年末まで井伊家が生き延びることが出来るか毎週心配になるレベル。
 そんな中で子ども時代や出家時代のエピソードを拾いながら城主編の「直虎らしさ」を積み上げているのはシナリオの妙。

 井伊直虎はとにかく記録の少ない人ですが、今回はそれを上手く逆手に取っています。
 徳政令やら逃散やら、歴史の教科書に出てくるような庶民レベルの出来事を丁寧に描いて、中世社会を描き出しています。タイムスクープハンターを大河ドラマでやってる感。これ、歴史好きの人には面白いと思うのですけど、一般視聴者層はどうなんだろうと心配になります。

 第16回の予告編で寿桂尼さま倒れてたなあ。ていうことはそろそろ今川も。あぁ。
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2017年03月12日

映画「アリーテ姫」

 塚口サンサン劇場にて片渕須直監督の「アリーテ姫」を観てきました。
 「この世界の片隅に」で名を上げた片淵監督の過去作品(2001年公開)。
 この手で何を生み出せるのか。幾つになっても心に響く問いかけです。しみじみ余韻に浸っております。
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2017年03月02日

NHK「ブラタモリ」"神戸の街"編

 ブラタモリ神戸編の後半は「神戸の街」編。お題は「神戸はなぜ“ハイカラ”なのか?」。

 番組で紹介されたのは北野異人館街から旧湊川・新開地商店街のエリアです。
 今回の記事の地図は全てクリックすると拡大します。
# カシミール3D+スーパ地形セットで描いています。


 オープニングは北野異人館街。開港後古くから外国人の住宅が建ち始めましたが、その前は段々畑の広がる農村でした。
 風見鶏の館が溜め池の跡に建っているというのは初耳。半地下式になっていたのは覚えていますが、てっきり免震装置でも仕込んだものかと思っていました。周囲が農地だったことを理解するために溜め池の存在を押さえるのはよい着眼点だと思います。

 神戸には外国人居留地があったのに、なぜその外側の北野に外国人が住んでいたのは、日本人と外国人が混在して住める「雑居地」が設定されていたため。

 兵庫の開港を定めた安政の五カ国条約の締結は1858年ですが、兵庫は京都に近いため朝廷の許可が降りず、本決まりになったのは1867年。幕末動乱の真っ最中で居留地の整備は手付かずでした。

 青山大介さん(@Kobe_UW)の「港町神戸 今昔鳥瞰図」には1868年1月1日の開港当日の様子が描かれていますが、居留地は一部の造成が始まったばかりで、まだ建物は一つもありません。

 居留地の工事の遅れを今に伝えるのが地番です。今も住居表示で使われていますが、番号の振られかたがバラバラ。これは造成が終わった順に番号が振られて引き渡しが行われたためです。
# 先程の青山さんの鳥瞰図はこれを反映して番号が若いところのみ先行して造成が進んでいる様子を描いています。

 番組の中では看板や門柱に残る地番表示を訪ねていましたが、これは今でもあちこちに残っています。右写真のうち、69→68→67が番組で紹介されたもの。他のものも以前、旧居留地を歩いて探したことがあります。

旧居留地ナンバリングツアー(1)
旧居留地ナンバリングツアー(2)
旧居留地ナンバリングツアー(3)
旧居留地ナンバリングツアー(4)

 というわけで、開港の時点では居留地の整備は進んでおらず。このため居留地の外側に広く「雑居地」が設定されたのです。
 赤く塗った部分が旧居留地ですが、雑居地は東は旧生田川から西は宇治川までの範囲。
 かなりの広範囲ですが、東西の河川に、南は海、北は六甲山系の山と、自然地形に区切られた区画でした。

 このうち東の生田川は現在は付け替えられて、当時の生田川は三宮を南北に貫く「フラワーロード」になっています。
 西の宇治川は下流部が暗渠になって、意識することはほとんどありません。

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2017年02月18日

NHK「ブラタモリ」"神戸の港"編

 NHK「ブラタモリ」がいよいよ神戸にやってきました。
 まさかの知らない場所が一つも出てこない(行ったことある場所ばかり)の展開。

 番組で紹介されたのは三宮から須磨までの神戸市の西部。
 今回の記事の地図は全てクリックすると拡大します。
# カシミール3D+スーパ地形セットで描いています。

 オープニングのロケ地はモザイク脇の○の場所、搭乗した遊覧船が↑の先のファンタジー号。ポートターミナルと明石海峡を眺め、兵庫津に回ります。
 右側は神戸港に入港した最大の客船クァンタム・オブ・ザ・シーズ(番組中で紹介されていた船です)。この2枚は青山大介さん(@Kobe_UW)の「港町神戸 今昔鳥瞰図」から。
# 兵庫津に行く前に何気に船を乗り換えてます。

 上陸するのは大輪田橋。1924年にできた橋で神戸大空襲と阪神・淡路大震災をくぐり抜けています。
 大輪田橋についてはこちらを→神戸の街のこんな星・大輪田橋

 神戸というと明治以降の開港地として欧米に開かれた港のイメージが強いのですが、奈良時代には畿内と九州をつなぐ瀬戸内海航路の要港でした。平清盛の大輪田泊の修築に始まり、室町時代も日明貿易、江戸時代も北前船交易の拠点として栄えています。もともとの兵庫津の中心がこの辺り。
 発掘調査を行うと今でもいろいろ出てきます。
兵庫津遺跡第69次調査現地説明会(2016年11月26日)

 かつての兵庫津の内海、中央右下の磯之町と船大工町の間の水面です。明治以降に新川運河の一部として利用されたので、痕跡が残りました。
 この付近から北東へ、東川崎町の辺りまでは江戸時代の町割りが多く残っている地域です。

 地図中央の印が西国街道の屈曲点「札場の辻」。北へ向かうと大阪、西へ向かうとと九州へ。
 兵庫津近辺のかつての西国街道は案内板が整備されているので、神戸駅から兵庫駅の区間を歩いてたどることが出来ます。平清盛関連の史跡もたくさんあるので歴史好きにも面白いエリア。
兵庫区歴史さんぽ道シリーズ(兵庫区役所)から「兵庫津の道」「大輪田泊」あたりがガイドマップにお勧め。


 そのあと鉢伏山の回転展望閣から神戸の街並みを眺めます。
 上空視点だと、六甲山系と和田岬に守られた神戸港の様子がよく分かります。平地が完全に市街化されている上に、根本に兵庫運河が掘りきられているため、通常の地図では気付きにくいのですが、和田岬が西からの潮流で運ばれた土砂が堆積した砂嘴(さし)ということも分かります。
# 番組中で紹介された明石海峡の成因は初めて聞いたと思ったら、疑問符付きな説のようです。

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2017年01月29日

映画「ヒトラーの忘れもの」

 シネリーブル神戸にて「ヒトラーの忘れもの」(英題: LAND OF MINE)鑑賞。
 第二次大戦後のデンマークで、ドイツ軍が埋めた地雷の除去に動員されたドイツ少年兵たちの物語。

 なんぼなんでも戦争犯罪じゃないのかそれ。と思ったのですが、あとで映画のサイトの解説を読んだら、デンマークは開戦早々にドイツの占領下となり、交戦国ではなかったので捕虜に対するジュネーブ協定の対象外だったそうです。抑留ドイツ兵を動員しての地雷除去作業はイギリスの提案だったとか。映画本編では語られない背景。

 訓練中に、作業中に、唐突に響く爆発音。
 地雷の扱いは素人の少年兵たち。
 あっけなく、突然に、終わりの瞬間がやってきます。

 少年兵部隊を監督指揮するデンマーク人の上官。ナチスに対する憎しみで固まったような鬼軍曹ですが、過酷な現実に向き合いながら、憎しみと情の間を揺れ動きます。

 戦争が残した狂気と一人ひとりの人間性の終わりのない葛藤。
 いい映画です。いい映画ですけど、ひたすら息が詰まり、生気を削られ続ける101分でした。
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2017年01月22日

おんな城主直虎 その2

 第3回まで視聴。子役が上手い子ばかりで、それで持っちゃってますね。
 それと今川家が意外に緩い。井伊から見てると恐るべき圧迫感ですが、第1話で斬られた井伊直満(亀之丞の父)は謀反がバレてるから処刑は当然。今回もおとわの婚儀の命令を反故にし、人質に出すのを渋った時点で井伊を攻めても文句のないところですが、結局はおとわを帰してます。
 今川義元の嫡男、龍王丸も、おとわの下手な蹴鞠に文句も言わずに付き合い続けるのは相当できた子どもです(周りの見物の子も含めて)。おとわのほうが無理難題で、ほんと井伊家の人達めんどくさいと今川家中は心底思ったに違いありません。

 この展開だと寿桂尼も雪斎もいい人っぽいのですが、はてさてどうなることやら。
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2017年01月08日

おんな城主直虎 その1

 2年続けての戦国もの大河となった「おんな城主直虎」。
 初回はまずまずといったところ。子役の3人が可愛かったのでそれで持っちゃった感。

 近年は女性を主人公にしたものが増えていて、21世紀以降では「篤姫」「江〜姫たちの戦国〜」「八重の桜」「花燃ゆ」の4作品、また夫婦でダブル主人公なのが「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」「功名が辻」の2作品。

 とはいえ女性が表舞台に立つ機会は今に比べると少ない時代を描くので、一年を通したドラマに仕立てるハードルが上がります。
 「江」は最初の6話で見るのを止めましたし、「花燃ゆ」は最初から見なくて途中で一度見たけどやっぱり止めた。「八重の桜」は会津編は見通しましたが、後半の明治編は朝ドラ的な印象。
 一方、総集編だけ見た「篤姫」は面白かったですし、「功名が辻」は良作でした。なので女性が主人公というのは難しいけどダメということはありません。
# 「利家とまつ」はぜんぜん見ていないまま。

 さて井伊直虎。史料に乏しい人物ですが、ドラマですから面白く扱えたらよいと思います。
# 実質的に井伊家の家督を継いだ井伊直盛の娘(祐圓尼)は居るのですが、次郎法師と同一人物かはよく分からないらしい。

 物語は1544年スタート。桶狭間の戦いが1560年ですから、信長10歳、秀吉7歳、家康1歳という時代。
 井伊氏は後に徳川家の重鎮となり、幕末に大老井伊直弼を輩出しますが、この段階では今川家に従属する国人領主(国衆)でした。「真田丸」の真田氏も武田氏の国衆で似たような立場ですが(真田信繁の祖父、真田幸隆の時代)、真田氏は自らの基盤を確立するために武田傘下に入ったのに対し、井伊氏は今川氏に屈服する形で従属した様子が描かれています。

 今後は国人領主クラスを描く大河が増えていくのかもしれません。既に三英傑(信長・秀吉・家康)はやり尽くした感はありますし、その他に名の知れた戦国大名となると、武田・上杉・後北条・毛利といったところで、後北条以外は既に大河化されています。
 国人領主まで広げれば、題材の幅も増え、「ご当地」と連携した企画も打ちやすくなるでしょう。もちろん全く名の知られていない人物では難しく、三英傑や有名大名との接点がないと話が作りにくいとは思います。
 「天地人」「軍師官兵衛」もそうした題材ですが、「天地人」は越後を料理しきれず中央寄りの物語になってしまいましたし、「軍師官兵衛」も敵役的存在だった家康の扱いで損をした感。「真田丸」はその点うまかったです。
# 幕末も個人的にはもうお腹いっぱい。

 はてさて、来週どうなりますやら。
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2016年12月18日

真田丸 その11(了)

 大河ドラマ「真田丸」終了。「軍師官兵衛」以来2年ぶりの完走です。
# 今世紀に入ってからは「新選組!」「功名が辻」「平清盛」「軍師官兵衛」そして「真田丸」で5作目の完走。

 三谷幸喜は「新選組!」に次いで2作目の大河ドラマでしたが、前作の経験は十分に活かした内容だったと思います。
 とにかく第1回から休む間のない展開。もちろん箸休め的なエピソードもあるのですが、全体的にノンストップで走りきりました。
 「新選組!」では前半の10話ほどは主要登場人物一人一人にスポットを宛てた人物紹介回で、それゆえその後の群像劇が盛り上がったのですが、なにせ新選組が誕生したのが第25回というスローペースで、展開の遅さに焦れて脱落した人もいたでしょう。

 「真田丸」も武田氏滅亡から天正壬午の乱(およそ半年ほど)で10話を使うスロースタートですが、この間の真田氏は武田・織田・徳川・北條・上杉の大大名に翻弄され、表裏比興ぶりを存分に発揮するめまぐるしい進行。
 また舞台が大阪に移ってからも、真田信繁(幸村)が豊臣秀吉の馬廻り(側近)に就いていたという近年の学説を取り入れて、豊臣政権の光と闇を側面から描きました。

 特に秀吉と家康の描き方が新鮮でした。
 サイコパス(他にうまい言い方が思い浮かばない)として描かれた秀吉。とにかくおっかない人物でした。寧々の「天下人になって変わったのではない、昔から恐ろしい人だった」という台詞が秀逸。最近の研究では意外に常識人だった信長と、規格外の秀吉、やっぱり常識人の家康ということになりつつあるようです。認知症と解釈した晩年の秀吉もよい描写でした。
 そして家康。とにかく生き延びることだけを考えていた人物が気がついたときには天下に手が届きそうな位置にいたという設定。敵役だしラスボスなのに、どこか嫌いになりきれない。関ヶ原の後は悪役的表現が増えましたが、最終回、覚悟を決めて幸村と対峙するシーン、創作と分かっていながらも良い場面でした(家康のほうがカッコいいと思った人もいたのでは)。

 主人公が話を引っ張らない大河でしたが、なにせ真田信繁が活躍するのは大阪の陣の半年間。それまで何をしていたのかよく分からない(史料が少ない)人で、そこをスーパースターに仕立て上げるのではなく、度胸も愛嬌もあるけど少なからず失敗もする人物として、歴史の傍観者の立場(視聴者目線に近い形)で描いたのが良かったのだと思います。

 時代考証に当たった学者が、それぞれネットで発信を続けていたのも面白い試み。平清盛でもありましたが今回は際立っていました。
 物語のどこまでが史実を反映した部分で、どこからがストーリーの事情でこのような描き方になったのか。あるいは通説ではこうだけど最近の研究で明らかになった事実を踏まえてこうしました。そうした発信がいちいち面白く、また三谷幸喜が歴史好きということもあって、物語と考証が上手く噛み合ったドラマになりました。

 現代言葉を多く用いた言い回しは評価の難しいところ。実は時代劇の言い回しは明治以降に作られたものが多く、戦国時代の言葉を再現すると、現代人がまともに聞き取れるものではなくなってしまいます。公の部分は時代劇調に、プライベートなシーンは現代言葉調に使い分けていましたが、慣れるまでは違和感が残ったのも正直なところです。
 そういえば方言は豊臣家の尾張方言くらいでしたか。播州弁の後藤又兵衛とか(違和感なさそう)、東北弁の伊達政宗とか(違和感なさそう)見てみたかったかも。

 あとは物語に勢いがありすぎて、しみじみできる余韻が少なかったかなぁ。これはほとんど言いがかりですが。

 真田ものには「真田太平記」という金字塔がありますが、「真田丸」はそれに伍する傑作となりました。
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2016年12月04日

真田丸 その10

 大阪冬の陣後の和平も破れ、いよいよ来週(第49回)は大阪夏の陣。
 私が好きな大河ドラマは「太平記」「平清盛」「新選組!」ですが、新たに「真田丸」を加えねばなりません。

 大阪冬の陣の真田丸の戦い(第45回「完封」)は、もうここが最終回でいいというくらいにスカッと見せてくれました。
 これまで真田方が快勝した戦いでも、第一次上田合戦はお梅の死、第二次上田合戦は関ヶ原の敗報と、盛り上げておきながら落とし前をつける展開で来ただけに、真田丸戦の爽快感たるや!
# 雑兵のエキストラに参加したのは上田市民のみなさんで、撮影に向かうバスの中で徳川兵役と伝えられたとか。ひどい(^_^;

 とはいえ、ここから先は、もう、向かっていくだけなんですよねぇ。滅んでいく方向に。
 さまざまな思惑が交錯しながら、事態が悪い方にばかり転がっていくのは脚本の妙。大阪夏の陣を残して「あと2回」という分配もお見事。あとは成り行きを見守るだけです。

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