KTXはいわば韓国版の新幹線で、2004年に開業。今年2024年で開業20周年を迎えます。当初はソウル-釜山を結ぶ系統から建設がはじめられましたが、現在は国内各地に路線が延びています。
車両を含めたシステムはフランスのTGVの技術を導入。初期の車両はフランスから輸入され、のちに韓国内で製造されるようになったそうです。
日本の新幹線は電車で各車両にモーターを搭載していますが、TGVの流れを引くKTXは編成の両端に大出力の電気機関車を配し、中間は無動力の客車になっています。ただフランスに比べると韓国の方が山岳区間が多いため、機関車の直後の車両も半室を機械室にしてパワーアップを図っているそうです。一般的に客車の方が乗り心地は有利ですが、加減速は電車の方が優れています。
客車は車両の連結部に台車がある連接車。日本では小田急のロマンスカーにこの形式の車両があります。
ステップにある「ALSTOM」はフランスの会社。つまりこれはKTXの初期から走っている車両ということになります。
# 同行した友人が根っからの鉄道ファンで、韓国の鉄道も一を聞いたら十を教えてくれました……
釜山駅で写真を撮っていたら、ホームの端は立入禁止になっていました。前から車両の顔を見たかった。
ステッカーの文字は「KTX20年の価値、100年の幸せ」とのこと(帰国後に韓国語に堪能な友人が教えてくれました)。
列車は発車ベルもなく、静かに駅を出発します。
車内は4列シート。座席の向きは変えられず、車両の中央に向かって固定されています。つまり車両の半分は後ろ向きに座ることになります。
線路の幅は同じでも車体は新幹線より小さいそうです。内装もレトロとはいわずともやや古めの雰囲気ですが、開業当初から走っているフランス製の車両、かつ元になったTGV車両の設計年代はさらに前なので、いまの新幹線と比較すれば昔風なのも当然ということになります。
# 車内はあんまり広くないよね? と聞いたら、どうしてここまで話が膨らむんだ。
慶州までは40分ほどで到着。車内のモニタは日本語表示があり(ハングル・英語・簡体字中国語・日本語の4言語表示)、これは助かります。日本でも最近は日本語・英語・ハングル・簡体字中国語の4言語表示が普及していますが、自分が外国に出るとありがたさを実感できます。
慶州からソウルまでの区間も同じ形の車両に当たりました。見た目はTGV(少し丸っこいですけど)なので、フランスの電車に乗った気分です。
私の乗った列車の乗客のみなさん、車内では静かに過ごされていました。日本の新幹線の方が概して賑やか。
駅に停まるは割と手前からスピードを落とすのですが、これは在来線と高速鉄道の線路の幅が同じなので、駅施設は共用にしているところもあるのだそうです。駅の手前から在来線に合流しているのですね。
さて車内の設備もいろいろあるのですが、使ったのは自動販売機とお手洗いくらい。自動販売機は冷えていない飲み物が出てきて閉口しました。いや、冷えてないのはいいのです。このスタバのコーヒー、「エスプレッソ&クリーム」で一言も砂糖入りとは書いていないのに激甘だったのです。参りました。
ただこの日はソウル駅に着いたのが10分遅れ。もしかしたら遅延でゆっくり走っていた可能性はあります。
モーター無しの客車ということもあり、車内は静かで振動も少なかった印象です。
ソウル駅で下車。今まで乗ってきた編成をお見送り。なんでもソウルが終着駅ではなく、一つ先の駅まで走っているそう。KTXの車庫があるそうで、博多南線みたいなものか。
ということで、釜山に上陸して最初に経験した韓国が高速鉄道でした。
そしてソウル駅で京成スカイライナーの広告を見たときは、私はどこに来たのかと思いましたよ。
「KTXは編成両端の客車を半室機関車にしたせいで異常振動が発生して開業直後は難儀してた話」が抜けてるぞ!
一両の半分を機関車って、フランスも変わったこと考えますよね。素人考えでもその車両の乗り心地は酷いことになりそうです。