2020年08月05日

熊野那智大社・青岸渡寺

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 大門坂を登りきるとすぐに社殿があるのかと思いきや、そこからさらに門前町の石段を抜け、鳥居をくぐって止めを刺されるような石段を登ると、ようやく熊野那智大社の境内にたどり着きます。
 大門坂の比高が150m、大門坂上から境内までの比高が80mあるので、大門坂だとまだ2/3しか登っていなかったわけです。境内までの写真が一枚もないのが、疲労困憊ぶりを物語っています。

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 冒頭の写真は重要文化財の本殿。これは脇の扉の格子越しでないと拝むことが出来なくて、実際の参拝は拝殿(左写真)からとなります。正面で護摩木を焚いているのは神仏習合時代の名残。
 行者の修行の場であった那智の滝そのものをご神体としてお祀りしたのが起源と考えられています。

 拝殿の左に八咫烏を祀るお社があります。三本足のカラスで熊野の神の使いとしてシンボル的な存在です。日本の神話では天照大神の使いとして神武天皇の道案内を務めています。サッカー日本代表のエンブレムに使われているのをご存じの方も多いはず。

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 熊野那智大社に隣接して青岸渡寺があります。神仏習合時代は那智大社と一体のものでしたが、明治の廃仏毀釈で分離されました。熊野本宮大社・熊野速玉大社は仏教施設がすべて破却されてしまったのですが、熊野那智大社のみが往時の姿を留めています。

 本殿は重要文化財。西国三十三所観音巡りの一番札所です。四国八十八ヶ所の一番札所は関西から近い阿波国にありますから、西国三十三所の一番がこれほど遠くにあるのに驚きます。熊野詣と組み合わせてお参りする想定だったのでしょうか。

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 参道の途中で鳥居と山門が分かれるのですが、境内は一続き。社殿とお堂も隣り合わせで建っていて、よくぞ残したものだと思います。

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 青岸渡寺の境内からは那智の滝と三重塔が並んで見えます。もう少しだけ南側に移動できれば、三重塔が手前の建物にかからずに見えるのがちょっと惜しい。でも素敵な眺め。

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 青岸渡寺の裏手から熊野古道が奥に伸びています。熊野本宮大社を経て大峯奥駈道へ続いていく紀伊半島縦走路です。

 三重塔は昭和の再建で、日本最古の会社ともいわれる金剛組の施工。建物自体はRCづくりで中にはエレベーターがあります。

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 三重塔からの那智の滝は滝壺まで見ることが出来ます。といってもそれなりに距離がありますし、水底まで見えるわけでもないのですけど、一般人が那智の滝の全景を見ることが出来る唯一のスポットかもしれません。

 振り返ると青岸渡寺の堂宇が見えますが、山並みの左は谷がずっと奥まで見えていて、この日は霞はかかっていましたが、空が澄んでいれば太平洋まで見渡せます。海岸線までの直線距離は5.5kmほどで、山深いようで意外に海が近い場所です。
 実は那智の滝、上部だけなら海からでも見ることができるそうで、古くから霊場として開けたのには早くから人々に存在を知られていたことも理由の一つかもしれません。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | 地図と地理と遠出
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