2020年08月04日

潮岬灯台

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 潮岬灯台。
 日本最古級の洋式灯台の一つで、幕末の西欧列強との条約に基づいて建てられた「条約灯台」の一つです。江戸条約が太平洋航路、大阪条約が瀬戸内航路の安全を確保するためのもの。条約を結んだのは江戸幕府ですが、明治政府が引き継いで灯台の整備を行いました。
○江戸条約(1866):観音埼('69),野島埼,樫野埼('70),神子元島,剱埼,伊王島,佐多岬('71),潮岬('73)
○大阪条約(1867):江埼('71),六連島,部埼,友ヶ島,和田岬('72)
 潮岬灯台は当初は木造で作られましたが、1878年に石造に改められます。潮岬は台風の通り道でもあり、気象条件の厳しい場所での木造灯台は厳しかったのかもしれません。一方、正式点灯に先立って1870年に仮の設備で点灯されていますが、それだけこの海域の安全確保が重視されていた現れです。

 歴史的・文化的に貴重な灯台として、全国23ヶ所のAランクの保存灯台に指定されており、「日本の灯台50選」に選ばれ、日本で16ヶ所しかない上まで登れる参観灯台でもあります。

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 もともと観光用の施設ではないので、灯台の中は狭いです。特に高欄のある階へ昇る階段は、階段というより梯子。昇るより降りるほうが怖いやつです。

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 流石に灯台だけあって、見晴らしは抜群。左写真は潮岬の最南端クレ岬方向、右写真は灯台のある突端の岩礁です。

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 灯台の官舎。明治初期の灯台の多くはお雇い外国人のリチャード・ヘンリー・ブラントンが設計しています。このため似たような外観の官舎があちこちにあります。

 右写真は灯台の石材。宇津木石と呼ばれる近くで採れる古座川弧状岩脈の流紋岩質火砕岩を使用しています。

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 官舎の中は灯台に関する資料館になっています。左写真は初期の木造灯台の模型。右写真は1929年から使われてきた第2等フレネル不動レンズ。
 なお現在は90センチの回転式レンズになり、光源もハロゲンランプになっています。光達距離19海里(約35km)。

20200804kushimoto022.jpg 敷地内に日時計があるのも古い灯台の特徴。1873年といえば日本標準時が定められる(1886)より13年も前で、そもそも灯台のあるような岬の先端まで電気が引かれておらず、日時計が有用な時計でした。おそらく機械式の時計と併用しながら、晴れた日は日時計で校正して、灯台の点灯時刻などを調整していたのだと思います。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | 地図と地理と遠出
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