2020年07月10日

NTT技術史料館

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 東京都武蔵野市にあるNTT武蔵野研究開発センタ内にNTT技術史料館があります。

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 古い電話機とか展示してあるところかと思ったでしょ。私もそう思ってました。実際にそういう展示も十分にお腹いっぱいになるボリュームであるのですが、違うのです。とんでもない史料館です。

 今でこそNTT(日本電信電話株式会社)という民間企業ですが、通信は国家の根幹を支える社会基盤でもあり、かつては電電公社、更に遡ると逓信省と、国が事業を担っていました。
 つまりここには末端の利用者に見える部分だけではなく、裸電線から光ファイバーや衛星通信まで、電信からデジタル回線まで、日本の通信網をどのように築いてきたかの歴史が詰まっているのです。

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 なので、マンホールの仕組みとかシールドトンネルの掘り方とか、そんなところまで解説してあるのです。NTTの史料館でシールドトンネルのセグメントを見るとは思いませんでしたよ。

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 アンテナの展示だと思ったでしょ。
 でもこれはアンテナを乗せる鉄塔の展示なのです。写真は取り忘れていたのですが、電話局の建物の展示までありました。建物自体は模型ですが、全国津々浦々に電話局を建てねばならなかったので、ケーブルを守るための工夫をしながら、コストを抑えて災害に耐えうる丈夫な建物をつくってきた歴史が語られます。

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 こちらはケーブル。最初は裸電線だったものが最後は光ファイバーになるのですが、銅線の時代は高密度に配線を束ねることが通信回線の容量増加に直結するので、見た目からすごいことになっています。
# このケーブルの接続部の展示は見ていて気が遠くなるスパゲッティぶりです。

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 最強に理解が難しいのは交換機で、床から高天井に届くような歴代の交換機がずらりと並んでいるのですが、解説を読んでも正直、ついていけませんでした(汗)。
 ただ何十万何百万もの回線を安定して確実につなぐために、絶えず技術革新が行われてきたことは分かります。電話を繋ぐ、ネットを繋ぐという日常生活の何気ない行為の裏に、これだけの設備と技術と人が注ぎ込まれてきたことを、これまで意識したこともありませんでした。

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 人工衛星の展示が出てくるとホッとします。アルミのハニカムを使ったアンテナの構造は今もそんなに変わってない。って、ホッとするポイントがおかしい。



 実は撮った写真だけで100枚超えていたのですが、見学時間も2時間では足りない感じで、半日は必要です。できればガイドツアーに参加したい。

 公式サイトおすすめの見学コースが、「技術重視の短時間コース(約60分)」「歴史重視の短時間コース(約120分)」と短時間の概念がズレ始めていて、「標準コース(約180分)」「長時間コース(約180分以上)」あたりは帰らせる気がないだろうという具合。

 単一テーマの博物館としては日本最大級ではないでしょうか。



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 いちいち紹介していたら日が暮れるのでわかりやすそうな展示物をピックアップします。
 歴代の黒電話。いちばん右の600A2型が技術的には黒電話の到達点で、この後の601形電話機はコスト削減やメンテ性の向上を目指したモデルチェンジになります。
# ちなみにうちで使っているのが電電公社時代の601A2形。まだ現役。

20200710ntt_shiryokan100.jpg 初期の携帯電話の展示は定番といえば定番。今となっては嘘みたいなショルダーホン。あとは自動車電話とか新幹線に設置されていた車内電話も移動体通信の先駆け。
 新しい方では2010年代初頭のスマートフォンまで並んでいました。こちらも写真を撮っておけばよかったな。2000年代のガラケー全盛期の機種がズラリ並んでいて、懐かしかったです。
 携帯電話は新しいことがどんどん出来るようになる時期を知っているので、見ていて楽しいです。

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 インターネットの歴史にもコーナーを一つ割いてあります。
 「NTTホームページ」を知っている私はインターネット老人会に仲間入り出来るかもしれない。1994年のシューメーカ・レビー第9彗星の木星衝突はインターネットで情報収集していたので、パソコン通信を経由しないでネットに入った初期の世代です。

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 災害関係では阪神・淡路大震災のコーナーもあったのですが、実は大きくスペースを割いていたのは1984年の世田谷局ケーブル火災事故
 電話線を収容した地下トンネルで火災が起き、電話が使えなくなるのはもちろん、銀行のATMは止まり、110番も119番も使えなくなり、市民生活や企業活動など甚大な社会的影響を及ぼした災害です。事故の原因、社会的な影響、復旧までの課程、その後の対策と詳細な展示があり、当時の電電公社が受けた衝撃と社会基盤を担う責任の大きさを感じる内容でした。
 阪神・淡路大震災でも電話は比較的早期に復旧するのですが、こうした経験と教訓が生かされているのだなと。

 とにかく規模も内容もすごい史料館でした。次回はガイドツアーに参加したいです。
posted by ふくだ at 23:47| Comment(0) | 博物館や美術館
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