2020年05月21日

H-2Bロケット9号機打ち上げ、神戸から観測

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 神戸から撮影したH-2Bロケット9号機。
 右下の淡路島の稜線から昇ってくるオレンジ色の光跡がH-2Bです。肉眼でもオレンジ色の尾を引いて昇る様子がはっきり分かりました。うっすら天の川が見えるほどの透明度で条件にも恵まれました。

2020年5月21日2時32分22秒〜(神戸市垂水区) NikonD5500+AF-P NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6→20mm/F3.8、ISO800 露出10秒×5枚比較明合成。

 生の打ち上げを見るのも初めてなら、遠方からロケットがどのような見え方をするのかも分からなかったので、最初に見つけたときはすぐにそれと分かりませんでした。
 リチウムとナトリウムの炎色反応の中間のような鮮やかな赤に近いオレンジ色の光点がゆっくり昇ってきて、噴射炎なのか噴煙が照らされているのか、後ろに尾を引いています。神戸から種子島まで直線距離で600km、ロケットは南東へ向かって飛んでいくので距離は離れる一方のはず。鮮やかな色もそうですし、形を持った姿で見えるとは思っていませんでした。

 思わず声を上げてしまいましたが、周りに人がいなくてよかった。
 見えていた時間は短く……といっても測っていないので分からないのですが、1分少々だったはず。
 個体ロケットブースターの燃焼終了に伴って暗くなり、一瞬だけ明るくなったのですが、その後すぐに暗くなって、以降は見えることはありませんでした。

 H-2Bロケットは2009年から運用されていて、国際宇宙ステーションへの輸送機「こうのとり」の打ち上げに使われてきました。今回の9号機が最終号機となり、次の輸送機からは次世代のH3ロケットでの打ち上げとなります。「こうのとり」も次世代型の「HTV-X」にバトンタッチする、世代交代のタイミングです。

 実は初号機のときも神戸での観測に挑戦したのですが、このときは見ること能わず。
 計算上は見ることが可能でも、眼視で見やすい個体ロケットブースターの燃焼時は高度が2〜3度までしか上がらず、種子島のある南西方向が開けて地平線近くまで晴れ渡らないと無理なのです。

 塩屋の谷では西側が滝の茶屋の台地で遮られてしまうので、海に出るか山に登るかしかないのですが、今回は旗振山へ移動。海岸は霧や靄がでる可能性があるので(今回の天気では心配ありませんでしたが)、少しでも安全策です。旗振山は散歩道ですし、夜間の登山も何度か経験していますが、荷物は三脚含めて全てリュックひとつに収まる範囲に絞り、負担を減らします。時間も余裕を見て出発しましたが、コースタイムは普段とほとんど変わらず、40分前には現着しました。

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 実は昼間のうちにロケハンしてSpaceStationARアプリで見え方をチェックしていました。
 H-2B9号機の軌道シミュレーションを表示できるので、個体ロケットブースターの燃焼時間内に淡路島の上まで出るのを確認。風景に重ねる方位はスマホのコンパスの精度に依存するので多少の誤差はでるのですが、それは星座との相対位置で補正出来ます。
 それにしてもシミュレーションの精度が素晴らしかった。昼間は太陽の方位でコンパスの誤差がほとんどなかったのを確認していたのですが、ここまでシミュレーションと実際の見え方が合っていれば(星座の星との位置に注目)、現地で慌てずに済みます。

 眼視での見え方や撮影のコツなどは久万高原天体観測館の藤田さんにtwitterで教えて頂きました。案ずるより産むが易しというか、実際に何度も観測されている方のお話を聞くとなんだかやれそうな気がしてきて、最後に背中を押して頂いた形です。

 あとは気象条件ですが、GPV天気予報でも2時から3時にかけては神戸近辺の雲が切れ、しかも淡路島から四国方向の雲がない予報。これは、チャレンジするしかありません。

 あれだけロケットや宇宙機の模型をつくっていて実際の打ち上げを見るのは初めてだったのですが、とにかく事前の準備が功を奏しました。あとはいつか現地まで打ち上げを見に行くしかないな!
posted by ふくだ at 06:40| Comment(0) | 宇宙開発/宇宙科学
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