2018年10月28日

印刷博物館「天文学と印刷」展

 タイトルからしてなんでやねんという組み合わせの特別展。「天文学」と「印刷」ですよ。どんな接点なんだ。
 印刷博物館の存在も今回はじめて知りました。

 と思いながら足を運んだのですが、なるほど納得。
 印刷技術の発展あってこそ、学者の考えが広く世に伝わり、またそれに触発されて学問が発展していく。
 グーテンベルクが西洋で活版印刷(活字を並べた印刷)を始めたのは1450年代で、それまで手書きで複写していた本が大量生産できるようになりました。今となってはあって当たり前の印刷物ですが、これがない時代の知識の伝播や共有がどれだけ手間隙かかるものだったのか、想像するのも困難です。

 コペルニクスが『天体の回転について』という著作で「天動説」を世に問うたのは1543年。それから一世紀に渡って続く天文学の大転回の基盤に、印刷技術があったわけです。
# 日本史だと応仁の乱が1467年、鉄砲伝来が1543年で桶狭間の戦いが1560年。

 そんなわけで天文学にまつわる古書というより稀覯本がずらりと並んだ展示。
 『天体の回転について』の初版本が並んでいる隣に、精巧なレプリカが「どうぞページをめくってください」とばかりにおいてあったり(実際に触れる)、ティコ・ブラーエやヨハネス・ケプラーやガリレオ・ガリレイの本の実物が並んでいて頭がクラクラします。

 同時に印刷側にもスポットを当てていて、ニュルンベルクが学術出版の街だったとか(『天体の回転について』もポーランドから遠く離れたニュルンベルクで印刷)、ティコは観測所に印刷室を備えていたとか、興味深い展示がいっぱい。

 質・量ともに圧倒されるような展示で、酔ったように展示室を後にしました。
 そのあとの印刷博物館の常設展示が、現世にもどるまでの酔い覚ましにちょうどいい感じ。

 なおミュージアムショップは欲しくなるものがたくさんある危険な領域でした。
 図録など私の場合あまり見返さないので買わないようにしているのですが(と思わないとうっかり買ってしまう)、ついつい連れ帰ってしまいました。あぁ。
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 博物館や美術館
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