2017年04月16日

おんな城主直虎 その3

 女性が主人公の歴史もの大河ドラマは難しいのですが、今作は健闘しています。面白いです。

 それにしても井伊家。
 素直で単純で他人の裏を読むことは出来ない人たちばかりで、だからこそ地域では気のいい領主で、だからこそこうした小さな国衆が戦国の世で滅んでいったのだと分かりやすく示してくれます。知恵者兼憎まれ役担当の小野但馬も、井伊家だからこそ目立つ存在で、他家だと名もない一家臣レベルの人物です。
 昨年の「真田丸」の春日信達や室賀正武に当たるのが今回の井伊家なのでしょう。一族がみな優秀な人材だった真田家と違って、一族がみな普通の人だった井伊家。赤備えで名を馳せた両家ですが、2年続けての戦国もので、鮮やかな対比を見せています。

 直虎こと次郎法師はとにかく何の力もない主人公で、城主になるまで、いや、城主になってもしばらくの間は井伊家をめぐる重要局面で表立って活躍していません。それがまた現実に即した感じで面白い。
 長年お寺にいたおかげで、政治行政の経験値がゼロ。城主になってもミス連発トラブル続発で、そりゃ領主の娘ってだけで一族郎党を率いるのが無茶だというのが痛いほど分かるシナリオです。ていうか年末まで井伊家が生き延びることが出来るか毎週心配になるレベル。
 そんな中で子ども時代や出家時代のエピソードを拾いながら城主編の「直虎らしさ」を積み上げているのはシナリオの妙。

 井伊直虎はとにかく記録の少ない人ですが、今回はそれを上手く逆手に取っています。
 徳政令やら逃散やら、歴史の教科書に出てくるような庶民レベルの出来事を丁寧に描いて、中世社会を描き出しています。タイムスクープハンターを大河ドラマでやってる感。これ、歴史好きの人には面白いと思うのですけど、一般視聴者層はどうなんだろうと心配になります。

 第16回の予告編で寿桂尼さま倒れてたなあ。ていうことはそろそろ今川も。あぁ。
posted by ふくだ at 23:45| Comment(2) | 読書録・映画録
この記事へのコメント
大河、どちらかといえばいつも疲れるので見続けられないのだけど、城主になってからおもしろくなって観るようになったよ。確かに年末までもつのかどきどきするね(笑)
Posted by あぴ at 2017年04月20日 17:07
とにかく直虎を等身大の只の人扱いしているのが上手いです。

ふつうの主人公は、知恵が回ったり勘が鋭かったり、武勇に秀でていたりするのですが、直虎には何もない。子ども時代から寺で修行したおかげで、民の暮らしには通じていますが、それも行政経験がないからすぐには役に立たない。

その上で今まで直虎がやってきたことがいちいち伏線になっていて、前回も百姓に文字を教える約束をしたことが、今川館での申し開きの最後の決め手につながるとか、見ていておおっ!てなります。

あと小野但馬。今川に付いたふりして憎まれ役を買いながら井伊家とおとわを守ろうとしてるわけですが、すでに南慧和尚にも弟の嫁にも気付かれて、寿桂尼さまも当然お見通しのはずで、でも肝心の直虎にはずっと気付いてもらえなさそうで、不憫で仕方ありませぬ。

次回は綿花の話。日本に綿が定着するのは戦国時代後半で、三河の辺りが最初の産地と言われていて、なかなか目のつけどころが面白いです。
Posted by ふくだ at 2017年04月20日 23:23
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