2019年02月24日

銚子市青少年文化会館

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 「プラレアリウム巡り」の6番札所だった銚子市青少年文化会館(千葉県)は、市の財政難で2019年3月末で休館となります。
 そこで「銚子のプラネを訪問します。日程の合う方はご一緒しましょう」という井上館長のツイッターでの呼びかけ。お礼参りを兼ねて同窓会的にわいわい星空を眺めたい――休止は寂しいけれど楽しいことなら参加せずにはいられないのがプラレア巡りの人々です。
 カレンダーとにらめっこして、うっかりポチッと飛行機を予約しました。

 銚子は「国のとっぱずれ」と歌われる関東最東端の街。沢口靖子の出世作となった朝ドラ「澪つくし」の舞台です。東京駅から特急で1時間47分、普通列車の乗り継ぎなら2時間半。意外に遠いというか、本当に遠い。誰ですか、こんなところに集まろうなんて言い出したのは。

20190224choshi01.jpg 2019年2月24日、春まだ浅き房総の地。
 東へ向かう電車にはどこかでお見かけした顔がチラホラと。どうやら同好の士がいるようです。

 青少年文化会館に到着すると、ドームは既に空席を探すのが難しい賑わい。長年親しんだプラネタリウムの休止を聞いて、地元のみなさんも大勢、足を運ばれています。ほどなく満員札止めとなり、急遽、追加投影の告知も出されました。

 投影前に井上館長にお声がかかり、マイクを渡されてご挨拶。続いて長年プラネタリウムに携わってきた地元の天文ファンの神原さんが、青少年会館の歴史や取り組みを紹介します。地元紙やNHKまで取材に入り、ちょっとしたイベントのよう。

20190224choshi04.jpg 投影機はミノルタMS-10。周囲には所狭しと補助投影機が増設され、中には他館から引き継いがれた機材もあります。この年季、この風格こそ関東最古参。

 投影は生解説の星空案内。
 最初にドームに映し出されるのはお昼の太陽。銚子の東経は140度49分。ここでは常に11時台に太陽が南中し、正午に南中する日は一日もありません。
 淡い太陽が沈むと星空案内。素朴ながらも熱のこもった語り口で、季節の星座をこれでもかと紹介するのが銚子のスタイル。増設された補助投影機を駆使して、明石では及びもつかぬ数の星座絵が登場します。

 所変われば星空が変わり、解説が違えば星空の切り口が違うのも、その地その地のプラネタリウムの楽しみ。そこに住む星を愛する人々の思いを感じるからこそ、遠くのプラネにに足を運んでみたいと思うのかもしれません。
 ドームスクリーンにきらめく星の明かりは、宇宙に託されたその土地の文化の灯火。銚子の街に再び星の灯火が灯る日が来ることを願います。
posted by ふくだ at 23:47| Comment(0) | プラネ/天文台/科学館

亥鼻城(千葉市中央区)

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 一般的に「千葉城」として知られる亥鼻城は千葉市中央区にあります。
 敷地内に天守を模した千葉市郷土博物館が建てられていますが、亥鼻城は中世城郭で天守があった史実はありません。

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 一帯は公園化されていますが、空堀や郭を囲む土塁が遺構として残っています。土塁は分かりやすいので確認をおすすめ。空堀は台地の先端の神明社との間にあります。

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 千葉市郷土博物館にはかつてプラネタリウムがありました。現在は新しく出来た千葉市科学館に移っていますが、かつては「お城のプラネタリウム」として知られていました。館内図の4階展示室がどう見てもプラネタリウムのドーム。現在は改装されて天井が貼られているのでドームの姿を見ることはできません。

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古星図などの天文資料のコレクションでも知られていて、今も展示があるのは予期していなかったので嬉しかったです。現在も図録の販売が行われています。

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 郷土博物館のメインの展示、千葉氏の歴史を紹介する常設展「千葉氏の興亡と妙見信仰」は見応えあり。また図録を増やしてしまいました。でも一番欲しかった千葉市の戦国時代城館跡が品切れで残念。

20190224chiba043.jpg 千葉氏は平忠常の流れをくむ平氏の一族で、千葉常胤が源頼朝の鎌倉幕府の草創に参加して有力御家人となります。衰退しながらも戦国時代を凌ぎますが、後北条氏に付いていたために、秀吉の小田原攻めの際に改易されます。一方、一族から出た相馬氏は陸奥で戦国時代を生き抜き、相馬中村6万石の大名として明治まで続きます。
 また剣術の北辰一刀流を開いた千葉周作も、千葉氏の末裔とされています。

20190224chiba040.jpg 城址にひるがえる月星紋と九曜紋。
 月星紋は千葉氏の家紋として知られるもの。見た目の通り星と三日月を象っています。いちばん外側の円を日輪と見て日月星の三光紋とも言われます。いずれにせよ天体と縁の深い紋。
 九曜紋も七曜(日・月・火星・水星・木星・金星・土星)に、日月食を起こすとされた羅睺星と計都星を加えたもので、やはり天体由来。こちらも千葉氏の紋として使われますが、後に相馬氏に引き継がれます。

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 郷土博物館の瓦には千葉氏の市章が刻まれています。これは月星紋に「千」の字を加えたもの(てっぺんの星と十字で「千」)。形を変えながら千葉氏の魂が受け継がれているのですね。そして天文由来の市章でもあるのです。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | お城

千葉神社

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 千葉神社は妙見信仰の神社です。神仏習合時代は千葉妙見宮として、妙見菩薩を祀る寺院でした。廃仏毀釈以後は妙見菩薩と同一視された天之御中主大神を祭神とした神社になっています。
 鎌倉幕府の有力御家人だった千葉氏が妙見菩薩を祀ったもので、以来千葉氏の氏神として信仰を集めてきました。

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 妙見菩薩は北辰(北極星)と同一視されてきて、時には北斗七星も祀られることがあります。このあたりはもともと割とおおらか。
 幕末に千葉周作が開いた「北辰一刀流」も、千葉氏と妙見信仰の縁から名付けられたもので、この門派から坂本龍馬が出ているほか、現代剣道の祖の一つとなっています。時代劇で千葉道場が出てきたら、千葉一門のみなさまは月星紋を付けてるはずなのでご注目あれ。

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 境内には星神さまを祀るお社や、妙見石もあります。
 星神さまと妙見さまって違う神様なんだろうか。あるいは別の場所に祀られていたお社を引っ越したのかも。
 妙見石は隕石ではなさそうですが、星にちなんだあれこれを見ると楽しくなります。

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 境内にある千葉天神。月星紋と梅鉢紋の組み合わせが強力でいかにもご利益ありそう。
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2019年02月23日

多摩六都科学館

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 多摩六都科学館は東京都西東京市にあります。六都は小平・東村山・田無・保谷・清瀬・東久留米の6つの市で、共同で科学館を運営しています。このうち田無市と保谷市が合併して西東京市となり、今に至ります(科学館は元の田無市側)。

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 プラネタリウム投影機は五藤光学のケイロンII。「最も先進的なプラネタリウム」としてギネス世界記録に認定されています。
 このカテゴリーでは、日本科学未来館の大平技研「MEGASTAR-Ucosmos」(2005年)に認定され、2012年に多摩六都科学館の「ケイロンII」が更新しています。「最も先進的」とは抽象的なものさしですが、投影できる恒星数は認定当時いずれも世界最大。ただ星の数だけに留めず、LED光源を採用するとかの新基軸を含めた評価にしたものと思われます。
 見下ろすような傾斜の27.5m径大ドームは国内3位、世界でも4位の大きさです。

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 展示室から。おそらく実物大のスペースシャトルの機首部。1994年の開館当時は宇宙開発の花形でした。有翼タイプの再利用宇宙船が、後継機もないまま引退して今に至るとは当時は思いもしませんでした。

 岩石・鉱物の展示が充実していて楽しいです。地元にスポット当てたコーナーもあるので、身近なところから興味を持ち、深めるきっかけになると思います。私の故郷は関東平野とはいえ、河原には砂しかなく、地面を掘っても関東ローム層の赤土しか出ないところだったので、身近にいろいろな種類の岩石を見ることがなかったのです。興味をもつ機会と深めるきっかけになる場所があるのは素敵です。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | プラネ/天文台/科学館

府中市郷土の森博物館

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 府中市郷土の森博物館プラネタリウム。
投影機は五藤光学研究所の最新型ケイロンIII。23m水平型の大きなドームに精細な星空が映えます。生解説の投影は客との距離が近くて親しみを感じる雰囲気でした。

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 旧投影機の五藤光学GL-AT。五藤光学研究所の本社は府中にあり、いわばお膝元の博物館です。天文展示の一角にも同社の活躍を紹介するコーナーがありました。なんと言っても世界有数のプラネタリウムメーカーですから。
 ところで、「『Fuchu』には『Uchu』がある」って、キャッチフレーズがダジャレでいいんですか?

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2019年02月10日

ココニイルコト・ナイト

20190210kokoniirukoto003.jpg 明石市立天文科学館のナイトミュージアム企画「ココニイルコト・ナイト 〜最相葉月さんのトークと映画『ココニイルコト』鑑賞会〜」が開催されました。

 映画『ココニイルコト』は2001年の作品。
 最相葉月さんのエッセイを原案に、主演は当時、真中瞳の名義で活動していた東風万智子と、今や押しも押されもせぬ実力派の堺雅人。
 明石市立天文科学館で映画のロケをやったという話は科学館の方から聞いていて、天文雑誌「星ナビ」にも記事が乗っていたのですが、単館系の上映で、気付いたときには梅田でしか上映館がなく、ビデオが出てからレンタルで観ました。
 天文科学館が舞台なら押さえておかねばという程度の気持ちでしたが、思いの外に素敵な映画で、DVDが出たときに迷わず購入。天文科学館も二度ほど登場しますが、いずれも印象的な場面になっています。ちなみに作中で声だけ登場するプラネタリウムの解説員は、今の井上館長。
 私はこの作品で堺雅人を知ったのですが、当時から印象に残る演技をしていて、この直後、2003年の大河ドラマ『新選組!』で演じた山南敬助が当たり役になります。

20190210kokoniirukoto006.jpg 『ココニイルコト』は今回久しぶりに観ましたが、色褪せない作品です。
 作品の中の携帯電話がスマホでなくてガラケーなのが、時代を感じるところ。天文科学館もプラネタリウムの椅子が交換され、座席を減ってゆったりの配置になったため、劇中の人物が座ったのと同じ椅子はありません(だいたい同じ場所には座れます)。ただツァイス投影機だけは今も昔も変わらぬ存在感です。

20190210kokoniirukoto007.jpg ところでイベントのチケットは、明石市立天文科学館会館40週年記念入館券の復刻版。実はこれ、映画の中に登場する小道具でもあります。分かる人には分かる細かやさが嬉しく楽しいです。

 最相葉月さんのトークショーの冒頭では、井上館長によるプラネタリウムの投影もありました。
 井上さんの語りが最近と雰囲気が違うな、と思いながら聞いていたのですが、後から映画の中の語りを再現されていたのだと気付きました。本当に芸が細かい。

 最相葉月さんは言葉を誠実に選んでお話される方でした。
 井上さんとのやり取りでも、雰囲気で丸めることは一つもなく、多少は遠回りな表現でも言葉と思いがズレないよう、丁寧に答えていらしたのが印象に残っています。
 『ココニイルコト』の原案となったエッセイが収録されている『なんといふ空』を皮切りに、最相さんの著作は半分くらい読んでいるのですが、いずれも真摯さを感じる作品ばかり。幾多のノンフィクションの背景に、こういう人柄がにじみ出ているのだなと納得しました。
# 『絶対音感』がヒット作ですが、知らない世界を垣間見た点では『東京大学応援部物語』が面白かったです。
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第9回 星なかまの集い

 無事に終了しました。参加された方のツイートをひろったまとめを作ってあります。
 第9回 星なかまの集い 2019 - Togetterまとめ
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2019年02月07日

特別展「双眼鏡の歴史展」

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 明石市立天文科学館「双眼鏡の歴史展」
 明治期にはじまる国産双眼鏡の発展史を、第二次大戦の終戦までにスポットを当てて紐解く内容。
 7倍50mmや6倍30mmといった規格はこの当時に生まれたことや、品質向上には海外からの技術導入が幾度も必要だったことなど、当時の貴重な実機も多数交えて展示された濃い企画展です。

20190207bino05.jpg 壁に吊るされた『双眼鏡の歴史』の著者の中島隆さんの解説文。少々長めですが、引き込まれるように読み切ってしまいました。しかしプリントした文章をラミネート加工してぶら下げるとか、こういうストレートな展示方法がいかにも明石。

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2019年02月03日

星見行(2月2日-3日)

 岡山の八塔寺に星見に出かけました。明け方に薄雲がかかりましたが、一晩を通してまずまずのお天気でした。

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ばら星雲(NGC2237〜9,2246)(岡山県備前市八塔寺)
2018年11月11日 露出8分×13枚合成、2019年2月3日 露出6分×16枚合成(合計200分)
NikonD5500(HKIR改造)+ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(f=378mm,F6.3) ISO1600
ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾

 昨年11月に撮影したものと今回撮影したものをコンポジットしました。がんばった!(赤道儀とオートガイダーが)
 ばら星雲とすばるは子どもの頃に宇宙の図鑑で見た写真の印象が強烈で(たぶんパロマー山天文台の写真だったと思います)、それゆえ何度も撮ってますが、イメージ通りの写真にするのはなかなか大変です。

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ω星団(ケンタウルス座)
2019年2月3日(岡山県備前市八塔寺)
NikonD5500(HKIR改造)+ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(f=378mm,F6.3) 中央部のみトリミング
ISO6400 露出1分×12枚合成 ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾

 瀬戸内では南に低く、南中高度わずか8度前後。なかなか見る機会の少ない天体ですが、八塔寺の望が丘から見えるのは確認していたので、狙って撮影しました。この夜も飛行機は飛んでくる、雲もやってくるで、正味見えていたのは30分程度でした。
 3.7等と肉眼でも見える明るさなので、恒星扱いでギリシア文字が振られ、ω(オメガ)星団の名があります。メシエのいたパリでは地平線上に昇らないので、メシエ天体にはリストされてません。

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M65・M66・NGC3628(しし座)
2019年2月3日(岡山県備前市八塔寺)
NikonD5500(HKIR改造)+ミニボーグ60ED+1.08倍フラットナー(f=378mm,F6.3) 中央部のみトリミング
ISO1600 露出6分×5枚合成 ビクセンAP赤道儀+M-GENにて追尾

 薄雲がかかってしまったので露出枚数少なめ。口径60mmでも銀河の構造が写るのですね。

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posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 星空観望