2018年10月30日

二月堂界隈

 東大寺ミュージアムへ寄ろうと思っていたのですが、正倉院まで行ってしまったので、ミュージアムは次の機会に回して、二月堂へ向かいます。奈良でもいちばん好きな景色、二月堂裏参道を登っていきます。

 休憩しようと四月堂脇のお茶屋さんを覗きますが、この日はすでに店じまい。
 そのまま手向山八幡宮まで足を伸ばして参拝して引き返します。

 三月堂。不空羂索観音と日光菩薩・月光菩薩が有名でしたが、日光・月光菩薩は元は他のお堂にあったことが判明し、修復工事のあとは東大寺ミュージアムに移されています。三月堂の中は本来のスッキリした姿になったのですが、私は以前の仏さまが林立するゴチャゴチャした姿も好きでした。当時たまたま夕暮れ時に拝観したことがあって、夕日が差し込んで黄金色に染まった仏さまたちの光景が忘れられません。
 今回も夕暮れ時だったので、どうしようかなと思ったのですが、思い出は思い出のままにしておきました。

 さて二月堂。
 江戸時代に火災で消失しての再建。最近国宝に指定されました。
 西向きに開けた舞台からは、奈良の町並みを一望のもとに眺めることができます。
 ここからの夕暮れが好きで、奈良の夕方はここで過ごすことが多いです。

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posted by ふくだ at 23:48| Comment(0) | 地図と地理と遠出

正倉院外構

 正倉院は東大寺の倉庫でしたが、明治初期に皇室に献上され、現在は宮内庁の管轄下になっています。
 ログハウスのような寄せ木の校倉造りで知られるのは「正倉院正倉」で、国宝建造物。中の宝物は昭和時代に建てられた空調完備の「東宝庫」「西宝庫」に移されています。

 正倉の中に入ることはできないのですが、建物の外観だけ見学することができます。期間は平日(年末年始除く)の10時から15時と、なかなかハードルが高いのですが、正倉院展の期間中は16時まで延長されるので見に行ってきました。

 正倉の東から見ることになるので、午後は逆光になり、写真を撮るのはちょっと大変。
 間近に見るのは初めてだったか、以前に一度見たけど記憶が定かで無いのか、ちょっとあいまい(なんか見たことあるような気はするのですけど)。実は柵の外から正倉が見えるポイントがあるので、姿だけは何度か見てるんですよね。

 私の子どもの頃の国語の教科書だったか、正倉院の校倉造りは湿気に応じて木材が収縮して風通しが変わり、中の宝物を守っているという話が載っていたのですが、現在は否定されています。なにせ超重量物の瓦屋根が載っているので、木材が収縮する余地が無いのだとか。言われてみれば当たり前ですが、何となくの思い込みが流布されて広まるのは、今も昔も変わらないのだなと。

 ところで正倉院の南側に少し離れて建つ建物。ちょっと不思議な雰囲気なので寄ってみたら、皇宮警察でした。平安装束の武官か薙刀もった僧兵が出てきそうです。うむ、ここは僧兵でお願いしたい。
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第70回正倉院展(2018年度)

 奈良の秋の風物詩、正倉院展。2年ぶりに見に行きました。

 午後から見学のゆっくりコース。
 今回の目玉は螺鈿細工鮮やかな「玳瑁螺鈿八角箱(たいまいらでんはっかくのはこ)」。あとは「平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)」「犀角如意(さいかくのにょい)」が出色でした。私が工作好きなこともあり、どうしても工芸品に興味を惹かれてしまいます。

 布製品では「錦紫綾紅臈纈絁間縫裳(にしきむらさきあやべにろうけちあしぎぬのまぬいのも)」。巻きスカートみたいな物が面白いです。
 今回は突出した大スター的出展物はなく全体的に落ち着いた印象の展示でした。

 正倉院の収蔵物の多くは収蔵時の姿をそのまま伝えているのですが、「そのまま」具合が半端でなく、布は劣化し、色は落ち、つまりは経年劣化していく状態のまま保存されています。もちろん補修されているものもあるのですが、ボロボロになったから捨てるということをしなかったのか、なんだかよく分からない姿になっているものも少なくありません。
 それを含めて今に伝えているのがすごいものだなと思います。
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興福寺中金堂

 300年ぶりに再建なった興福寺中金堂を拝観してきました。
 興福寺は創建以来、たびたび火災と再建を繰り返してきましたが、お寺の中心となる中金堂は1717年の火災で焼けて以来、仮堂こそ建てられましたが、本格的な再建はなされないままでした。2010年に再建に着手し、このたび2018年10月に落慶したものです。

 建物は天平時代の創建時を想定したもので、朱塗りの柱の鮮やかな建物です。
 本来は回廊と中門が接続している部分は現在は基壇と礎石だけ復元されていて、その分の空間は広大に広がっているのですが、寺院の中核となる建物がよみがえったことで、興福寺全体が引き締ったように思えます。「信仰の動線がない」と言われていたかつての姿を思い出すのも難しいくらい。

 本堂の内部には江戸時代に作られた本尊の釈迦如来と、国宝の四天王、重文の薬王菩薩・薬上菩薩が置かれています。
 興福寺は何度も焼けたので、仏像もいろんなお堂を行き来しているのですが、今回の再建中金堂に置かれた仏像も他のお堂から移したもの。もちろん適当に選んだわけではなく、由緒由縁を考慮して移されています。
 お堂が大きいぶん内部も広いので、置かれている仏像とのバランスが微妙に合わない感じがするのですが、これもそのうち馴染むのかもしれません。

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2018年10月28日

コスモプラネタリウム渋谷(東京都渋谷区)

 コスモプラネタリウム渋谷は最近、ツイッターでその日の解説員一覧を投稿してくれるようになりました。
 それぞれ個性があって、誰にあたっても面白いプラネタリウムですが、この日は五島プラネタリウム以来の解説員である村松さんの投影があることを知って時間を合わせました。といっても中野から渋谷まで意外に近かったので一つ前の投影にも間に合ってしまい、16時・17時のダブルヘッダーに。寝ないで持つか大丈夫か。

 16時の「コスモ星空散歩」は村山さん。なんでも解説員おまかせ枠(意訳)とのことで、最近は南半球に旅立つことが多かったそうですが、今回はハロウィンのお話。こういう臨機応変さが生解説メインのよいところ。
 コスモプラネタリウム渋谷の開館当初は、15分ほどの生解説の星空案内+30分ちょいの全天周映像の組み合わせのみという、当時のスタンダードながら堅めの構成でしたが、最近は解説員のお話メインの回や音楽番組も織り交ぜ、柔軟な番組構成を取っています。見に来る側としてはバリエーション豊富なのは嬉しいことです。

 17時の「Starry Music」は村松さん。
 音楽番組と言いながら、ほとんど全編星空案内のプログラムで(そこは解説員によって違うのかもしれませんけれども)、私としては大満足。ゆっくりとした語りながら明瞭で一つひとつの言葉が聞きやすい語り口。そして何より、星が好き、星の話をするのが好きという気持ちにあふれた投影。村松さんの投影は何年かぶりでしたが、相変わらず素敵な投影でした。
 そういえば解説員全員が仮装していたのですが、村松さん曰く「永田さんの命令」なのだとか。投影が終わってロビーに出ると、照明を落とした「ハロウィンモード」になっていました。

 この日は19時から観望会があるとのことでしたが、帰路の便の都合で参加できなかったのが残念。
 18時を過ぎた頃から観望会のボランティアの方々が集まっていらっしゃいましたが、「旧五島プラネタリウム天文資料」の頃とはずいぶん入れ替わっているようでした。以前からのファンだけでなく、新しい星の仲間が集うところになっているのは素晴らしいことだと思います。
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なかのZEROプラネタリウム(東京都中野区)

 JR中野駅から徒歩7分。ホールや図書館の複合文化施設「もみじ山文化センター(なかのZERO)」の一角に、なかのZEROプラネタリウムがあります。

 開館は1972年ですから、都内のプラネタリウムとしては老舗の部類。投影機は一度更新して、現行機は五藤光学GN-II-Space。こちらも1986年からの稼働なので、30歳を越えた古強者です。椅子も合板にクッションを貼り付けた昔ながらのもの。
# プラネタリウム投影機は10〜20年で更新されることが多いです。

 科学館ではなく文化施設の中のプラネタリウムなので、展示等は少ないですが、廊下の壁やドームの周囲に天体写真や天文情報のトピックスを掲示していて、雰囲気作りに一役買っています。

 ドームに入った瞬間に、「ここは良さげな館だなあ」と思ったのですが、期待に違わず素敵な投影でした。
 解説の方自ら「オールドスタイル」とおっしゃる、光学式投影機と液晶プロジェクター(全天周にあらず)による投影。
 聞きやすい声と話し方、過不足ない解説、タイミングピッタリの投影機操作。何かすごいという感じではなく、この空間で過ごした時間が素敵だったという雰囲気。
 長年に渡って投影を続ける老舗ならではの底力。また行きたいプラネタリウムが増えてしまいました。
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印刷博物館「天文学と印刷」展

 タイトルからしてなんでやねんという組み合わせの特別展。「天文学」と「印刷」ですよ。どんな接点なんだ。
 印刷博物館の存在も今回はじめて知りました。

 と思いながら足を運んだのですが、なるほど納得。
 印刷技術の発展あってこそ、学者の考えが広く世に伝わり、またそれに触発されて学問が発展していく。
 グーテンベルクが西洋で活版印刷(活字を並べた印刷)を始めたのは1450年代で、それまで手書きで複写していた本が大量生産できるようになりました。今となってはあって当たり前の印刷物ですが、これがない時代の知識の伝播や共有がどれだけ手間隙かかるものだったのか、想像するのも困難です。

 コペルニクスが『天体の回転について』という著作で「天動説」を世に問うたのは1543年。それから一世紀に渡って続く天文学の大転回の基盤に、印刷技術があったわけです。
# 日本史だと応仁の乱が1467年、鉄砲伝来が1543年で桶狭間の戦いが1560年。

 そんなわけで天文学にまつわる古書というより稀覯本がずらりと並んだ展示。
 『天体の回転について』の初版本が並んでいる隣に、精巧なレプリカが「どうぞページをめくってください」とばかりにおいてあったり(実際に触れる)、ティコ・ブラーエやヨハネス・ケプラーやガリレオ・ガリレイの本の実物が並んでいて頭がクラクラします。

 同時に印刷側にもスポットを当てていて、ニュルンベルクが学術出版の街だったとか(『天体の回転について』もポーランドから遠く離れたニュルンベルクで印刷)、ティコは観測所に印刷室を備えていたとか、興味深い展示がいっぱい。

 質・量ともに圧倒されるような展示で、酔ったように展示室を後にしました。
 そのあとの印刷博物館の常設展示が、現世にもどるまでの酔い覚ましにちょうどいい感じ。

 なおミュージアムショップは欲しくなるものがたくさんある危険な領域でした。
 図録など私の場合あまり見返さないので買わないようにしているのですが(と思わないとうっかり買ってしまう)、ついつい連れ帰ってしまいました。あぁ。
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2018年10月27日

三鷹・星と宇宙の日2018(速報版)

 国立天文台三鷹キャンパスの特別公開「三鷹・星と宇宙の日2018」に参加してきました。
 ひとまずTogetterのまとめです。
三鷹・星と宇宙の日2018(Togetterまとめ)
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2018年10月20日

星と音楽のプラネタリウム

 今月は週末に予定が詰まっていて、天文科学館のプラネタリウムを見るのはこの土曜の午後を逃すと次月になってしまいます。
 ということで明石へ。

 たまたま「星と音楽のプラネタリウム」の回で、こりゃあ心地よく寝ることになりそうだな、と思っていたら、なんだか素晴らしい演奏。ピアノとバイオリンのデュオでしたが、すっかり聞き入ってしまいました。

 後半、はやぶさ2の話題だったのですが、トトロの「風の通り道」を原始太陽系のチリの円盤から惑星が形成されていく場面に充てるセンスが好き。映画だとススワタリが飛んでいく場面。ロケット打ち上げの場面に「ツァラトゥストラはかく語りき」を入れたり(ピアノとバイオリンだけで演るのもびっくり)、映像と星空と選曲が面白いマッチングでした。

 夜明けの場面ではバイオリンの奏者が客席の通路を回りながら演奏して、お客さんに朝の訪れを告げて回っているようで、その演出もよかったです。
 終わった後にベランダに涼みに出たら、他のお客さんもみんなして「よかった」「感動〜」と口々に。

 なお、次に見た通常投影は順調に眠りに落ちました。
# この日の朝は5時に起きてしまったので、プラネで起きてられるわけがないと思ってたんですよ。
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2018年10月17日

サブカメラ検討

 星雲・星団の直焦点撮影、8分露出の16コマ合成となると総露出時間は128分、私は予備で2コマ撮っているので、合計146分かかります。
 ビクセンAP赤道儀とM-GENオートガイダーの相性がよく、インターバルタイマーをセットすると露出終了までほぼ手がかかりません。

 一天体撮影するのに2時間半となると、一晩で撮れるのは2天体か3天体。撮影中はたっぷり時間があり、もともと観望が好きなので、ドブソニアン望遠鏡や双眼鏡で空を眺めています。が、時間はあるからもう一台カメラを用意して、星景や星座の写真を撮ってもいいなと思いました。
 惑星の移動の様子など、手軽な記録写真としても面白いです。

 現在、直焦点用に使っているのはニコンD5500(2015年発売、2017年購入)。こちらは昼間の写真を撮るのにも使っています。
 家にはD5000(2009年発売、購入)があるのですが、さすがに古さが否めず、高感度側はISO1600からノイズが乗り始め、今の水準では夜の撮影は厳しい。

 だったらここ数年の機種のボディだけ中古で買うのもいいか。
 ということで相場です。ニコンのエントリーモデル一眼デジカメのD3000系列。

機種名D3200D3300D3400D3500
発売年2012201420162018
画像処理エンジンEXPEED3EXPEED4
撮像素子2,472万画素/有効2,416万画素2,478万画素有効2,416万画素2,472万画素/有効2,416万画素2,478万画素有効2,416万画素
RAW12ビット(圧縮)
質量455g410g395g365g
レリーズ有線対応無線のみなし
スマホ連携等なしBluetooth
ローパスフィルターレス
イメージセンサークリーニング機能ありなし
タッチパネルなし
バリアングル液晶なし
撮影枚数540枚700枚1200枚1550枚
中古相場2万円代前半〜2万円代半ば〜3万円前後〜新品5万円代前半〜

 画像処理エンジンが旧世代のD3200は外すとして、D3400/3500はケーブルレリーズが付かないなど、意外な盲点があります。イメージセンサーのクリーニング機能を外しているのもびっくり。軽量化してバッテリーの持ちをよくする一方で(100g近く軽量化して撮影枚数は3倍近くになってるのはすごい)、初心者が使わない機能はバッサリ切り捨てる方向性が明確です。
 天体用途はケーブルレリーズでないと困る場面もあるので、この系列だとD3300になりそうです。
 しかし今さらタッチパネルなしの操作は慣れるのに時間がかかるかも。

 と思って考えたのです。

「直焦点用には中古のデジカメを調達して赤外フィルター改造して、星景や星座は今のD5500で撮ればいいんでないか」

 改造の素体としては、機能面で制約の多いD3000系列は避けたい。あとRAWで保存する際、D3000系列は12ビット圧縮ですが、エントリークラスの上位機D5000系列だと14ビット圧縮になります。改造機は天体写真専用でRAW画像を加工するのが前提なので、より階調を確保できるD5000系列から選ぶこととなります。

機種名D5200D5300D5500D5600
発売年2012201320152016
画像処理エンジンEXPEED3EXPEED4
撮像素子2,471万画素/有効2,410万画素2,478万画素有効2,416万画素
RAW14ビット(圧縮)12/14ビット(圧縮)
質量505g480g465g470g
レリーズ有線対応
スマホ連携等なしWifi/GPSWifiWifi/Bluetooth
ローパスフィルターレス
イメージセンサークリーニング機能あり
タッチパネルなしあり
バリアングル液晶あり
撮影枚数500枚600枚820枚970枚
中古相場2万円代半ば〜3万円代前半〜4万円前後〜5万円代前半〜

 D5000系だと旧世代機D5500の中古相場は4万円から。機能的にはD5300でも十分で、タッチパネルの有無以外は後継のD5500/D5600とカタログスペックはほぼ同じ。それだけにD5500を使っている自分は、タッチパネルの有無で混乱しそう。多少の価格差であれば操作系を合わせておいたほうが運用時に楽です
 ということで、D5500を調達して、これを改造すると追加費用が4万円ほどで、合わせて8万円ほどの出費になります。
 しかしこうなるとサブカメラという値段ではなくなってくるような。

 なんかどこかで道を間違ってないか私。お手軽に星景や星座の写真を撮る方向性はどこいった。

posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 機材