2017年03月27日

AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡

 AP赤道儀導入 その1
 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡←ここ
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫

 AP赤道儀には純正品の極軸望遠鏡PF-Lがオプションで用意されています。北極星と付近の星2つをパターン上の指定の場所に合わせる時角計算が不要なタイプ。自動消灯機能付きの暗視野照明が付いているなど高機能ですが、値段もそれなりで、メーカー希望価格が税別\28,000、実売価格が\24,000前後といったところ。

 AP-WM追尾撮影スターターセットでは全体の値段を押さえることもあり、ショップオリジナルの極軸望遠鏡を付けています。こちらは水平出しと時角計算が必要なオーソドックスなタイプ。

 価格差が8千円程度なのでどうしたものかと思って検索していると、純正品の極軸望遠鏡PF-Lの使用レポートがありました。

Vixen AP星空雲台を使ってみました(Telescope_Factory:2015.3.18)
Baader Hyperion 36mmでお気軽コリメート撮影-2(Telescope_Factory:2015.3.24)

 視野周辺部の収差で像が悪化する部分で恒星の位置合わせをするので、ちょっと見づらいとのこと。遠征時の空の暗い場所ならよいとして、神戸の自宅近辺で4等や5等の星を確認するのは厳しいかもしれません。今回はショップオリジナルの極軸望遠鏡を使うことにしました。

 さてこちらがその内容品。iOptron社製の極軸望遠鏡K-ASTEC社でカスタマイズしたものということで、極軸望遠鏡本体明視野照明装置、調整用のレンチが入っています。

 AP赤道儀への取り付けは赤道儀の極軸体にねじ込むだけで簡単。後で初期調整を行ないます。
 説明書には書いていないのが極軸望遠鏡のピント合わせ。景色とパターンの両方のピントを個別に調整できるようになっていますが、景色のピント調整リングは極軸体の内部に入ってしまう部分に付いているので、取り付け前に合わせておかねばなりません。

 私は取り付けた後で景色とパターンのピントがずれてることに気付いて(出荷時に調整していると思うのですが、個人の視度差もありますから)、どこで合わせればよいのか分からずに困りました。

 初期調整はマニュアル通りに。
 まずは極軸望遠鏡のパターンの垂直を決める作業。遠くの塔や建物を利用して鉛直方向を決めて、マークしておきます。

 次は極軸体と極軸望遠鏡の平行を調整する作業。景色を見ながら極軸体を回転させて、パターン中心と視野の中心がズレないように追い込みます。天体望遠鏡のファインダーを調整するのに近い要領。難しくはないのですが手間はかかります。とはいえ最初に合わせてしまえば後で狂うものではないので慎重に作業します。
# 参考:スカイメモSの極軸修正方法と極軸の合わせ方について(カメラde遊ingのブログ:2016.03.08)

 この段で気付いたのですが、この極軸望遠鏡はアイレリーフが短くて、メガネを掛けたままでは全視野を見渡すことが出来ません。メガネを掛けていてもパターン周辺は見えるので何とかなるとは思いますが、これは盲点でした。
 そういえば極軸望遠鏡はカタログにアイレリーフの情報は載っていないのが普通で、これは改善してほしいと思います。

 そういえばAP赤道儀は、水準器を置く場所がありません。三脚の上面は赤道儀を載せてしまうと水平な場所がないし、赤道儀本体にも平らな場所がありません。
 赤道儀を付ける前の三脚上面で水平を出すか、極軸体上面のアクセサリーシューを利用して水準器を付けるしかなさそうです。

 北極星の時角はスマホのアプリで表示できるので、これは難しいことはありません。

 極軸望遠鏡の明視野照明装置はAP赤道儀の赤緯体に収まるようになっています。取り付けもドライバー一本で
簡単。上手くつくったものです。
 照明装置のスイッチは赤緯体のカバーの内側で操作をしにくい場所。スイッチを入れっぱなしでも10年は電池が持つ(計算)とのことで、基本は点けっぱなし推奨という割り切った仕様です。
# 通電で電池が消耗するのと、経年で電池が消耗するのと、変わらないのかも。

 AP赤道儀の赤緯体にはスライド式のフタがついているのですが、この明視野照明装置を付けると、青色のボリュームの突起がカバーと干渉して蓋が閉まらなくなります。これは製品説明のサイトでも明記されているので事前に知っていましたが、せっかくの機能が使えないのでちょっともったいない気分。ここはサードパーティ製品ゆえの割り切りでしょう。
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 機材

2017年03月26日

AP赤道儀導入 その1

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 AP赤道儀導入 その2 極軸望遠鏡
 AP赤道儀導入 その3 実地テスト
 AP赤道儀導入 その4 星空デビュー
 AP赤道儀導入 その5 378mm2分ノータッチは大丈夫

 というわけで、ビクセンのAP赤道儀を導入しました。
 協栄産業で販売している両軸モーター仕様のAP-WM追尾撮影スターターセット。「WM」は「W(Double) Motors」で両軸モーターのこと。赤道儀本体に三脚や極軸望遠鏡などをセットしたものです。

 私の用途なら日周運動が追尾できれば十分なので、赤経モーター仕様の「AP-SM(Single Motor)」で用が足りるのですが、両軸モータなら将来オートガイダーを使える拡張性を考慮しました。とはいえセット品で割安感があったのがAP-WMにした一番の理由。とはいえ天文関係で一度に6桁の買い物をするのはこの10年来なかったことです。


 開梱の儀。段ボール箱を開けると、まずは説明書など。その下にコントローラーとケーブルとウェイトシャフト。更にその下に赤道儀本体とバランスウェイト。

 説明書は赤経モーター仕様のAP-SMのものですが、両軸モーター仕様のAP-WMの補足説明が一枚付いてきます。説明書自体は分かりやすく出来ていると思います。

 星座早見盤とビクセンオリジナルの「星空ガイドブック」もセットされています。我が家の星座早見盤はこれで何枚になったことやら。「星空ガイドブック」は望遠鏡で使い方や観察方法を中心に編集されたガイドブックで、一通りのことは押さえてあって、まずまずよく出来た冊子だと思います。光景や倍率による見え方の違いを図解しているのは良い点。

 三脚は三段伸縮で、コンパクトに畳めます。短縮時の長さは60cm程度。
 面白いのはステーのてっぺんが赤道儀を固定するネジになっていること。分解するパーツが一つ減るので、よく考えられています。

 赤道儀の組み立てはどのメーカーも大差ないのですが、今回は電装系もありますし、説明書を確認しながら組んでいきます。

 ほどなく組み上がり。
 コントローラーのケーブルが一本でスッキリしていたり、クランプの位置も分かりやすかったり、GP赤道儀で使いにくかった点は改善されている印象。

 コントローラのケーブルが今や懐かしのシリアルケーブル(RS-232Cなどで使うもの)で、端子部が大きいのと接続時に手回しネジで固定するのはちょっと面倒。シリアルケーブルは信頼性が高く、観測中に不慮に引っこ抜けることを考えたら、この規格にした理由は分からなくもないですけれども。

 電源は家にあったモバイルバッテリーとUSBケーブルで給電しています。スマホ持ちの人なら予備のモバイルバッテリーはいくつか持っているので、それを流用できるのは便利。

 三脚はステーのあるタイプで、BORGの三脚のようにストーンバッグを付けてアクセサリー置き場にすることは出来ません。観測中に接眼レンズを置く場所は別途、用意することになります。モバイルバッテリーの置き場も考えないと。

 バランスウェイトは1kgのものが付いてきます。ファインダーを付けたBORG77EDにはウェイトが軽すぎて釣り合いが取れませんが、ミニボーグ系は余裕な感じ。ウェイトは買い足すことになりそうですが、それまではペットボトルに何か詰めて括り付けるなどで対応しようと思います。

 ひとまずはここまで。
posted by ふくだ at 23:47| Comment(0) | 機材

子午線LED

明石市立天文科学館の前に「子午線LED」が設置されました。
 館出口西側の漏刻の前には子午線を示す白タイルのラインが敷かれていましたが、これを埋込み式のLED照明に置き換えたものです。2017年3月20日の13時5分に点灯されました。
 タイマー点灯式で開館時間は赤く光って子午線を示すそうです。

 こちらは点灯式の前日、3月20日の写真。今後は日中に消灯時の姿を見るほうが貴重かもしれません。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | 日本標準時子午線

軌道星隊シゴセンジャーファンクラブイベント(2016年度第2回)

 年に2回の軌道星隊シゴセンジャーファンクラブイベント。
 ファミリー層が多いイベントで科学館のヒーローが地域の子どもたちに愛されてるんだなあと思います。
 基本は普段のシゴセンジャー投影のスタイルで進行しますが、さすがに「常連」の子どもたちが多く、ブラック星博士のネタも訓練され尽くしてノリノリの雰囲気。

 コニカミノルタプラネタリウムの全天周プロジェクター、スーパーメディアグローブ2が3月末まで設置されていることから、全天周映像を投影しながらの"シゴセンジャークイズチャレンジ"。月や惑星がドームいっぱいに映し出されると、あまりの迫力にあちこちから声が上がります。
 光学式投影機と全天周映像プロジェクターを組み合わせたハイブリッド式のプラネタリウムは最近でこそ珍しくありませんが、明石では普段はツァイス投影機一本なので、見慣れていない人も多いのでしょう。
 ツァイス投影機とのハイブリッド、ありかもしれないと思います(番組作るのたいへんだろうなぁ)。

 投影の後はドーム内で記念写真。
 普段のシゴセンジャー投影では基本は外での記念撮影タイムになるのですが、今回は時間外の投影なのでこんな融通も利いたりします。ツァイス投影機とシゴセンジャー・ブラック星博士のショット、意外に珍しいのです。

 シゴセンジャーの衣装がいつの間にバージョンアップしていました。以前は手作り感あふれる段ボー……いやいや、プロテクターでしたが、現在は人工皮革みたいな素材で雨の日も安心。あまり近くで見ることがないのでいつ変わったのかも知らないままでした。

 そして3月20日から点灯している子午線LEDに立つブラック星博士。
 なんか悪役感満載で強そう。
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 明石市立天文科学館

2017年03月25日

速達郵便ポスト

 私の育った田舎の郵便ポストは差し出し口が一つのものばかりでした。
 差し出し口が「手紙・はがき」と「速達・大型…」の二つのあるポストは隣町まで行かないと見かけなかったように思います(今はあります)。なので、東京で速達郵便専用の青いポストを見かけた時には、速達だけでそれほど需要が多いのかと驚いたものです。
 社会人になれば速達郵便を出す機会はいくらでもありますし、まして東京のオフィス街ならなおさらですが、子どもが速達郵便を出す機会はまずないので、まったく想像の範囲外だったのでしょう。

 さてその青ポスト、JR兵庫駅の北側に一つあります。以前からあるのは知っていて、神戸も都会だもんね、とは思っていたものの、これが全国的にも希少種と知ったのは最近のこと。

青色ポストって?「速達専用」大阪に集中、全国に35本(〒マップブログ/2015.2.19)

 引用元の朝日新聞の記事によると、2015年2月時点で全国に35本。うち大阪に26本、東京に6本、神戸に2本、名古屋には1本とのこと。兵庫駅は下車することが多い=ポストを目にすることも多いので、そこまで珍しいものとは思わなんだ。
# 神戸市内のもう一ヶ所は、兵庫区の中央市場にある長田郵便局中央市場内分室の前

 2013年の日経新聞の記事によると最盛期は全国に400本ほどあったそうです。2口ポストの登場後に数を減らしていったそうですが、写真の兵庫駅のものも2口ポストと速達ポストの併設で、どうして残ったものやら。
 この際なので末永くがんばってほしいものです。
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第89回選抜高等学校野球大会・第6日

 春の甲子園。ここ数年は開会式の日に観戦していたのですが、今年は天文科学館の行事に重なって、一週間遅れの週末になりました。
 試合は第2試合の履正社と市立呉の途中から。1-0の行き詰まる接戦で、初出場の市立呉が強豪の履正社に食い下がります。最後の打者の見逃し三振は球場全体がため息に包まれましたが、健闘に惜しみない拍手が送られました。

 第三試合の一塁側アルプス、智辯学園の人文字。最初は白いシャツでスタンドに入り、あとから赤いポンチョのようなものと帽子をかぶって「C」の文字をつくっていました。へぇ。
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2017年03月20日

Queen Elizabeth 神戸寄港

 キュナード社の客船 「クイーン・エリザベス」が神戸港にやってきました。2015年3月以来2年ぶりですが、2017年は3月13日と20日の2回の寄港となっています。あいだの一週間は、鹿児島〜釜山〜広島〜神戸の神戸発着のクルーズを行っていました。

 全長:293.84メートル、全幅32mで90,901総トン。
十万トン超えのクルーズ客船が珍しくない昨今では「ふつうの大型客船」ですが、先代の「クィーン・エリザベス2」が長らく世界最大の客船として知られていましたので、受け継いだ女王陛下の知名度は抜群。他の大型客船の入校時に比べても多くの人々がポートターミナルに集まっていました。

 「マルキン醤油」と書かれたオレンジの貨物船は、小豆島のマルキン醤油の工場と原料や製品を積んで往復している賀茂丸。行き交う船との邂逅も楽しい神戸港です。
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2017年03月19日

星友フェスタ 遠足部

 シゴセンジャー春場所に合わせて「星友フェスタ」が開催されました。
 星の友の会の会内サークルの体験イベントということで、遠足部では天文科学館周辺の散策路「時の道」の散歩を企画しました。

 「時の道」は明石市内の散策路で、明石駅から明石公園・文化博物館を経由して、天文科学館周辺の寺社をめぐり、人丸前駅までの約2kmのコース。全コース歩くと往復4kmで歩くだけで1時間かかってしまいます。
 今回は天文科学館周辺の500mほどを行ったり来たりブラブラとお散歩する企画。

 ふだんの遠足部は、この指とまれ的にその時集まれるメンバーで他の科学館や天文イベントへの遠征を行っているので、「近場」を「歩く」のは今回が初めて。
 運営(といってもこれまた遠足部メンバーですが)含めて10人でお散歩しましたが、参加頂いた方には好評いただいたようで何よりでした。
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シゴセンジャー春場所&星空演劇「ヘルクレスの冒険」(3月18日・19日)

 キッズプラネタリウムは軌道星隊シゴセンジャー春場所。
 初日は7割くらいの入り。2日目は入場を待たずに整理券配布済みの満席状態。相変わらずコテコテの駄洒落とクイズの戦いです。予定調和のようにブラック星博士が負けていきましたが、またやってくるんだろうなぁ。

 午後の2回めの投影は星空演劇「ヘルクレスの冒険」。
 解説員が役者となってギリシャ神話物語を演じる番組で、今年は町劇Akashi bb(ブレスandブレス)の劇団員も加わってパワーアップ(役者が2人から5人に!)。しし座とうみへび座とかに座が出てきてはヘルクレスに退治される様子をコミカルに演じてました。
 初日と2日目と続けて見たのですが、2日目はシナリオがブラッシュアップされて、さらに分かりやすく面白く笑える展開に。お客さんの反応を見ながら修正というか進化させちゃうのですね。隣りに座ってた親子連れのお父さんがツボに入ったように大ウケでした。
 盛大な前フリにも関わらずあっけなく天に登っていくカニさんと、ノリが抜群のヒドラがいい味出してました。

 さて今年度のシゴセンジャー投影にすべて参加したということで、ファンクラブ記念品の卓上カレンダーをいただきました。わーい。
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2017年03月18日

プレミアム講演会「日本のプラネタリウムの黎明」

 明石市立天文科学館特別展「日本のプラネタリウム『はじめの1歩』展」に連動してのプレミアム講演会「日本のプラネタリウムの黎明」。こんなマニアックなテーマを聞く人がいるのかと思ったら、ドームの半分ほどの席が埋まる入り。天文教育関係の方々もいらしている様子。

 面白かったのは、コニカミノルタプラネタリウムと五藤光学研究所の元社員のお話。両社とも当初は社外のプラネタリウム製作者を招聘して開発に当たったという意外な共通点もあったり。



 元コニカミノルタプラネタリウムの鈴木孝雄さんからは、同社の創業期の開発事情と機種の特徴のお話。
 千代田精工(後のミノルタ)が初めて作った「ノブオカ式プラネタリウムI型」は、街の発明家としてプラネタリウムの研究を行っていた信岡正典氏を招いての開発。1958年3月に招聘してから半年ほどで最初の投影機を完成させています。惑星投影機の技術は信岡氏の手で出来ていたのですが、レンズを用いた恒星投影機の部分にカメラメーカーの千代田精工の技術が必要だったとのこと。このノブオカ式I型はツァイスI型にそっくりで、甲子園球場のそばにあった阪神パークに納入された後、福岡の遊園地に移設されたそうです。

 続いて開発されたII型はS型とも呼ばれ、社内では「星座」のSだったとか。恒星投影球は南北2つとなりましたが、惑星投影機はギア駆動でなくプリセット式。広島県の遊園地「楽々園」に納入。
 阪神パークといい、福岡といい、楽々園といい、遊園地のアトラクションとして使用されたのが面白いところ。
 S型の2号機は阪神パークに納入され、すでに解体撤去されていますが、最近、保管されていた部品の一部が見つかったとのことで、惑星投影機をお披露目してくださいました。

 III型は南北の恒星投影級の間にギア駆動の惑星投影機を備えた本格的なものでしたが、これは見本市への出展のみ。その後は10年ほど売れない時期が続き、しかしながらその間にMSシリーズのラインナップを揃えて、1970年代から急に売れるようになったそうです。
# 鈴木孝雄さんはこの事業拡張期の入社で、ここから先も面白そうなのに、「黎明」の話なので、ここまで。



 元五藤光学の児玉光義さんのお話は、五藤光学研究所創業者の五藤斎三氏がどのような経緯でプラネタリウムづくりを志したのかを紐解きます。明治生まれの実業家の波乱万丈な一代記でそれだけで講演会が一本できてしまいそうなお話です。1926(大正15)年に天体望遠鏡メーカーとして創業した同社がプラネタリウムに本格的に乗り出すのは1950年台後半のこと。海外の見本市などでプラネタリウムに接した五藤斎三氏が、少量生産の製品は小さな会社でないとできないこと!と乗り出します。

 ここでも社外のプラネタリウム開発者、吉田_氏を招聘。当初はダンベル型のツァイス式で設計していたものの、途中でより精度を出しやすいとモリソン式に変更。以後、モリソン式は五藤のプラネタリウムの標準形となります。完成したM-1型は「日本初の中型プラネタリウム」として東京国際見本市に出展の後、浅草・新世界に納入(ここもエンタメビル)。
# 少し後の1965年に東京海洋大学に納められたM-1型が現在も現役で動いています。

 後に開発された大型機のL-1はいきなりの米国納入でしたが、その背景には金環日食観測時に米国隊に提供したシーロスタットの高評価があったそうです。
 


 2時間で4人が話し終わるわけないでしょうと思っていたら、予想に違わず思いっきり時間オーバー。それでもまだもっとたくさんお話を聞きたかった感があります。

 物事の始まりのお話を聞くのはどんな分野でも面白いもの。コニカミノルタも五藤光学もメーカーの人の話を聞く機会はなかなかありません。
 一般の人が読めるプラネタリウムの歴史をまとめた本は、伊東昌市さんの「地上に星空を」(裳華房)くらいで、特に国産プラネタリウムの開発史にスポットライトが当たる機会はこれまで多くなく、今日のお話も何らかの形でまとめて残してくれると嬉しいです。
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 明石市立天文科学館